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閑話 父の手紙②

お父様達と食事を共にした次の日の朝、リーフから手紙が届いた。


『リーザへ


今の時点で分かっていることを報告する。

まずバカ王子の新婚約者だが、どうも公爵家の者のようだ。

どうやらここ1年ぐらいの間に引き取ったらしい。

詳しい事はまだ分かっていないが今探らせている。


婚約破棄については今のところ正式なものにはなっていない。

それと言うのもバカが王や王妃に婚約破棄の件を話さないでいるんだ。

どうやらリリーナにだけ伝えたらしい。

これについては今リカルドがバカ王子に確認している。


いまいち何がしたいんだか分からない。

ただ、件の公爵は前からリリーナがバカ王子の妃になることを快く思っていなかった節がある。

大方現宰相の私の発言権が強くなるとでも思っているのであろう。


しかしバカ王子の思惑と公爵家の考えは一致するとは思えないんだが。


このままリリーナの婚約が有耶無耶になるのは避けたい。


この前リリーナはバカ王子の気持ちを考えて、バカ王子から王や王妃に婚約の件を告げるまでそのままにしてほしいと手紙で私に伝えてきたが、そういう問題ではなくなっている。

大体バカ王子の一存でころころ婚約者を変更出来るわけないだろう。


だからこの際その新婚約者とやらに問題が無ければ、我が家としてはバカ王子の婚約者の立場は喜んで渡すという事にしようと考えている。


私と王で話していても結局のところバカ王子から未だに婚約破棄の話が出てこないから堂々巡りなのだ。

なので婚約破棄を実現する為にもリリーナにこちらに来てもらいもう1度バカ王子から婚約破棄の話を引き出してもらいたいのだ。

バカ王子はまずリリーナが今領地にいることを知らない。

バカ王子の考えでは婚約破棄の話を持ち出してリリーナの気持ちを確かめたいところだったんではないかとは思うんだが、思いっきり了承されて次にどうしたらいいか分からなくなっているのではないだろうか。

まあ、憶測の域を出ないがな。


王とバカ王子が話してバカ王子が婚約破棄なんてしていないと言ったら、折角のチャンスが潰れてしまうからな。

そうならない為にもリリーナに来てほしい。

すまんがよろしく頼む。


それからまたバカと書きすぎているのでこの手紙は処分してくれ。』



「リーフ……どれだけバカバカ書いているのよ…。」


私はすぐに火をつけて前回同様暖炉に入れた。

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