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とりあえず領地に向かう前にここでのお友達にお別れを言いますかね。

レオン様の呼び出しが無ければ今日はお茶を飲む約束をしていたのですが。

確かキャサリンのところでするって言ってたはず。

今から顔を出しておきますか。



「で、リリーナ。今日は殿下は何の用でしたの?」


キャサリンが興味津々で聞いてきた。

隣のロザリンドも同じような表情で見つめてくる。

私は一呼吸してから先程の出来事を話し始めた。


「まあ、端的に言いますと婚約破棄をされましたわ」


ガッシャーン

ガタッガタガタ


2人が同時にカップを落とし、椅子をがたつかせた。


「ちょ、ちょっと待って下さいまし。何かの間違いではございませんか?」


「そ、そうですわよ!リリーナったら聞き間違ったんじゃなくて?」


2人とも焦り方が王様と父に似てる。

何故間違いだと言うのかな。


「間違いではございません。それにレオン様のお側には可愛らしい女性がおりましたよ。何でもその方と結婚するらしいですわ。直接本人からお伺いしたんですもの、間違いようがないではないですか。」


私の言葉に2人は顔を見合わせて何やらコソコソ話している。


「ヒソヒソ………きっと殿下は……………………ですわ。だから………ヘタレって………。」


「…………ですわね。どうやったら……………ことに………。」


なんか2人で盛り上がってる。

しょうがないから紅茶でも飲んでよう。

あ、この紅茶美味しい。後で何処の物か聞いてみよう。

それにこのクッキーも美味しい。

私がまったりしているうちに2人の話し合いが終わったようだ。


「リリーナ、悪いことは言わないわ。今すぐ殿下ともう一度話し合いなさいな。」


「そうですわ、今頃殿下は……たぶんですけどアレですわね。ええ、落ち込んでおられますわ。」


えー、何で2人とも殿下の肩を持つの?

私は王妃教育から逃げ出せて良かったのに。

でも、2人には悪いけど殿下とはもう会わない。


「キャサリン、ロザリンド2人が心配してくれるのは嬉しいですけど、私先程レオン様に婚約破棄されて直ぐに王様と父に会って来たの。勿論2人にもお話しして、父からは領地に戻る許可をもらったわ。だから、明日には領地に旅立つつもりよ。だから今日は2人にお別れの挨拶にきたの。」


2人とも固まった。

なんか見事に固まっている。

普段の2人から想像出来ないぐらいの令嬢らしからぬ振る舞いだ。


「え、え、ちょ、あの、ほ、本当に王様と宰相様に伝えたの?」


「ええ、直ぐに伝えたわ。たぶんレオン様と別れて5分も経たないうちにね。」


2人は何やらブツブツ言いだし始めた。


「今回のは本当にまずいのでは………一体殿下は……………………あのバカ…」


「そうね………本当にあのヘタレは………」


ん、ところどころ暴言が混じってますがいいのかな。

たぶんだけどレオン様の悪口のような。


「リリーナ、本当に領地に行くの?別に王都に居てもいいじゃないの。」


「そ、そうですわよ。ここにいた方が楽しいですわよ。」


2人は優しいな。

婚約破棄された私にも優しくしてくれる。

でも、それじゃダメだ。


「2人とも優しいですわね。でも、ダメですわ。私がここに居てはレオン様と彼女が幸せになれませんもの。いくら私が何とも思ってなくてもいろいろおっしゃられる方もいらっしゃるでしょう。だから私は直ぐに領地に行きますわ。」


「リリーナ…。何とも思ってないって………。殿下が哀れ過ぎますわ。」


2人が何故かレオン様に同情を始めた。

あれ?婚約破棄されたのは私のはずなのに。


「では、キャサリン、ロザリンド仲良くしてくれて本当にありがとうございました。領地に戻る準備があるのでこの辺で失礼致しますわ。お手紙書きますのでお返事下さいね。」


私は優雅に一礼をして、呆気にとられる2人を部屋に残しキャサリンの屋敷を後にした。

さあ、領地に戻ったら何をしよう。

確かお祭りが近かったはず。

それに、久しぶりに思いっきり体を動かしたい。

魔物狩りにでも行こうかしら。


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