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食事が終わって私は部屋でくつろいでいた。

なんかここ数日いろいろあってさすがに疲れた。


するとサナが疲れに効く薬草茶を用意してくれた。

さすがだね、サナ。


「ありがとう、サナ。」


「いえリリーナ様お疲れのようですから、そちらを飲まれたら今日はお休みになられた方がよろしいのではないですか?」


「そうね、そうしようかしら。」


ふう〜〜、お茶美味しい〜〜。

なんか身体の中の方からポカポカする。

あ!そういえばサナに確認したい事があったんだ。


「ねえ、サナ。」


「何ですか?リリーナ様。」


「サナはもしかしてクリス様が男性って知っていたのかしら?」


「う!あ、あのえーっとですね……はい…知ってました。」


やっぱりね。

おかしいと思ったのよね、兄とクリス様が結婚しないかしらって言った時のこと。

クリス様が男性だと知っていたから難しいとか言ってたんだ。


「もう。サナったら知っていたなら教えてくれればよかったのに……。」


私がイジケモードに入るとサナは慌てて弁解してきた。


「あ、あの私もリリーナ様に言おうとした事もあったのですが止められてまして…。」


ええ〜、止められてたって誰によ。

何でそんなことするかな〜。


「申し訳ありません!リカルド様からリリーナ様がご自分で気づかれるまではそのままにしておいてほしいと言われまして。」


おいおい犯人は兄か。

1度話し合いという名のどつき合い必要だな。

私がどうやって兄とやりあうか考えていたところサナが申し訳なさそうに言葉を続けた。


「あのですね、リカルド様がリリーナ様に黙っているようにとおっしゃった訳なんですが……リカルド様もクリス様を女性だと思っていたからなんです。しかも、……これは言ってもいいのかしら…。」


「何よ、そこまで言ったんだから最後まで教えてちょうだいな。」


「そうですね……あの!実はリカルド様、クリス様が療養に来られていた時にクリス様に結婚を申し込んだんですよ。」


!!

おう、兄よ何という事を!

やはり私が考えていた通り兄はクリス様の事が好きだったんだ……。

しかし不憫すぎる。

でも何でその事をサナが知っているの?


「ところでどうしてサナはお兄様がクリス様にその…結婚を申し込んだ事を知っているのかしら?」


「 ……現場に居合わせたんです。あ、もちろん覗き見とかではないですよ!私が先にいた場所にたまたまお二人が来られて、リカルド様が結婚を申し込んだんです。」


「あらあら。何て言っていいのか…。じゃあそこでお兄様はクリス様から男性だと告げられたのね。」


「それが……告げたと言うより実力行使と言いますか…。」


「何よそれ。」


「ふう〜、あのですねその場でご自分の胸を触らせたんです。」


「え⁉︎」


「だから、クリス様がリカルド様の手を取りご自身の胸を触らせたんです。」


ナントイウコトデショウ。

兄よ……よりにも寄ってそんな手段で知ることになるとは……。

どつき合いは無しだ!

次に兄に会った時は優しくしてあげよう。


「サナ……この事はお兄様の為に聞かなかったことにするわ。でも、話してくれてありがとう。」


「いえ、私の方こそずっと黙っておりまして申し訳ありませんでした。」


何だか微妙な空気になってこの日は幕を閉じた。



ーー次の日


部屋で読書でもしようかなと考えていたらサナから母が呼んでいるので母の部屋まで来るように言われた。

早速母の部屋に向かった。


「お母様、お呼びとのことでしたが何かありましたか?」


「ああ、リリーナ。実は今朝方リーフから手紙が届いたのよ。」


父からの手紙。

何か動きがあったのかな?


「お父様は何て書いていらっしゃったのかしら?」


「それが1度リリーナに王都に来てほしいと言っているのよ。」


何ですと〜〜。

せっかく領地に来たのに〜〜。

まだ魔物狩りしてないのに〜〜!


「お母様、王都には何の為に向かうのでしょうか?」


「リーフが言うには正式に婚約破棄をする為だって。」


むー、正式に……か。

そうだよね、今のままだと中途半端だもんね。

よし!気合入れて婚約破棄するか!


「分かりましたわ。ではいつ頃出発すればよろしいでしょうか?」


「そうね、今回は私も行くから明後日ぐらいかしら。領地にはお父様とお母様がいてくれるから大丈夫よ。」


あら、今回は母も行くのね。


「はい、では準備…と言っても特にはないですが。」


「いいのよ、準備なんて。すぐに終わらせて帰って来ましょう。」


さすが母。

頼りになる!

こうしてもう一度王都に戻ることが決まった。



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