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実力

「ダン先生、ダミアン様は本当にサナのことが好きなのでしょうか?」


私は1番疑問に感じていることを素直に聞いてみた。

だって、おととい会ったばかりだし、ダン先生のお話を聞く限りじゃ一目惚れしました!ってタイプには感じないんだよね。


「ほっほっほ、さすがはリリーナ嬢と言うべきかな?たぶんだがあやつはサナさんのことを好ましくは思っているはずじゃぞ。ただそれよりも観察対象として興味を持ったんじゃろうな。あやつは1度興味を持つととことん研究しないと気がすまんのじゃ。まあ、観察し終えれば離れるとは思うんじゃが……なにぶん女性に興味を持ったのが初めてでの〜。そのせいでいきなり交際なんてのを申し込んだんじゃろうて。……たぶんあやつが学ばねばならんのは、女心ではないかの〜。」


女心ではないかの〜、じゃないよ!

何もサナで学ばなくったって良いじゃない。

他にもいっぱいいるでしょう。

まあ、サナを選ぶあたりは見る目があるな〜とは思うけど、ダン先生のお孫さんは非常に面倒くさそうな気配がビンビンする。


「なあ、ダン。お前の孫は強いのか?」


あれ?

お祖父様ってば、もしかして旅に連れて行くつもり?

そ、そんな〜、イヤだよ。

サナの機嫌が毎日悪いなんて耐えられない。


「そうじゃの〜、アレンよりも強いかもしれん。」


ダン先生の言葉に私とアレン君はビックリして目を見開いた。

ええ〜〜、アレン君よりも強いって何者?

しかもそんなに強いのに騎士団とかには所属していないんだ……。

うう〜〜もったいない。


「お、俺よりも強いんですか?」


アレン君も信じられないようでダン先生に確認している。


「うむ。ただ、アレンは日々修行を続けている様子だからのう、わしが思っているよりも強くなっている可能性もある。まあ、1度手合わせでもしてみれば良いのではないか。」


手合わせ……楽しそう……じゃなかった!

それだけ強ければ、旅も楽勝……なの?



「まあ、どれだけ強かろうが旅には連れて行かんがな。」


お祖父様が言い切った!

対してダン先生は機嫌を悪くすることもなくその理由をお祖父様に尋ねている。


「ふむ、何故じゃ?連れて行かんと言ったところで、さっきわしが言った通り無理にでもついて行くと思うぞ。」


「連れて行かん、と言うかついて来ないと思うぞ。次に向かう東の国に行く時はサナをここにおいて行こうかと思っておるからな。」


え?サナおいてくことが決定してたの?

私は知らないけど……サナって私の侍女だよね?


「ほう、サナさんは連れて行かんのか。まあ、確かにそれならばあやつもついて行かないだろうな。」


ダン先生はふむふむと言いながら頷いている。


「よし、ではこの話しは終わりだな。リリーナ、アレン、いきなり呼び出してすまなかったな。私はこいつともう少し話しがあるから2人はもうイイぞ。」


お祖父様から退去命令が出た。

では、挨拶して出ますか。


「は、はい、わかりました。では、先生またお会いしましょう。失礼いたします。」


「師匠、今度はダミアン殿と戦わせて下さいね!お元気で。」


私とアレン君はダン先生に挨拶をして部屋を出た。

そして、そのままアンジュさんとサスケさんがいるであろう部屋へと向かった。




「へえ〜、ダミアンさんって強いんだ。そんな風には見えなかったけどな。」


2人にさっきの話しをするとアンジュさんからそんな答えが返ってきた。

確かに強そうには見えなかった。

まあ、人は見かけじゃないんだね。


「リリーナ様、サナさんは本当にお留守番なんですかね?」


「そうね……私も初めて聞いたからビックリしたわ。サナは知っているのかしら?明日にでも確認してみましょう。」


私とアレン君がそんなことを話していると、アンジュさんが口を開いた。


「もしかしたら、ダミアンさんを諦めさせる為の嘘かもしれませんよ。だって、サナさんがリリーナお姉様のお側を離れるなんて想像出来ませんもの。」


まあ、確かにサナはずっとこれまでも一緒について来てくれた。

王妃教育で王都に来た時から、婚約破棄されて領地に帰ってからもずっとだ。

でも、サナにだって幸せになる権利はある。

もしも兄を選ぶのであれば、それがサナの願いなら喜んで祝福するつもりだ。

……いや、ちょっと、……かなり寂しいけど。


「そういう可能性もあるかしら。どちらにしろ確認が必要ね。」


私たちが話している間一言も話していなかったサスケさんが急にボソッとつぶやいた。



「そういえば、ハンゾウ、から、伝言。王子、脱走。」


オウジ、ダッソウ?


…………王子、脱走!


「え?王子って、レオン様のこと?」


「たぶん、それ、しか、いないだろ?」


っておい!

何でそんな大事なことを今頃言うんだよ!


「ちょ、ちょっとそれっていつのことですか?」


「つい、さっき。ハンゾウ、から、手紙。」


マジですか。

嫌な予感がプンプンするんですけど。

とりあえず言えることは……護衛という名の見張りはどうしたーー!!


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