表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/187

「…と言うわけで今サナと警備の者が回収に向かっています。」


私は帰宅後母に今回の件を報告した。

母は私が領地に帰ってきた理由もちゃんと知っていた。

さすがだね。


「リリーナ、いろいろと大変だったわね。後のことは私に任せてあなたは少し休みなさい。久しぶりの旅と戦闘で疲れているでしょう。」


「ありがとうございますお母様。あっ、そういえばお父様からお手紙を預かってきました。こちらを。」


私は父から預かっていた手紙を母に手渡した。


「あら、ありがとう。」


「お父様はすぐに読むようにとおっしゃってましたわ。」


「そうなのね。分かったわ。サナ達が帰ってくる前に読ませてもらうわね。」


手紙を渡して私は自分の部屋へと向かった。

私の後を侍女長のサリーがついてくる。

ちなみにサリーはサナの母だ。

昔から私の面倒を見てくれる。


「ごめんなさい、サリー。サナはまだ戻って来れなくて。」


「リリーナ様がお謝りになることはございません。サナはリリーナ様の為に働けることを喜んでいますよ。もちろん私もです。」


「ええ、いつもありがとう。」


「さあ、リリーナ様旅の疲れを取る為にもお休みください。湯浴みの準備もしております。」


サリーに促されて私は湯浴みをした。

はあ、気持ち良い。

湯浴み後いつの間にか私は眠りに落ちていた。




うん?

ここは…。

あ、そうだ領地の自室だ。

やっぱり疲れてたのかな?

窓の方を見ると日が沈み始めたのか薄暗くなってきている。

私は身支度を整えると部屋を出た。

まず母の部屋に行こうかな。


母の部屋の前まで来た。

コンコン、とノックをし名を告げる。

中の母から入室の許可をもらったので、ドアを開け入った。


「リリーナ、調子はどう?少しは休めたかしら?」


「はい、お母様。湯浴みをしたらそのまま眠ってしまったようですわ。おかげでスッキリしました。」


「では少しお話ししましょうか。いろいろとあるだろうから、ね。」


私は母に椅子に腰掛けるよう勧められた。

椅子に座ると母がお茶を用意してくれた。

まあ、話の内容から人払いしてるのかな。


「お母様。まずサナは無事帰って来ましたか?」


「ええ、大丈夫よ。警備の者と一緒にグルグル巻きの男達を8人全員運んできてくれたわ。それで早速その男達に話しを聞いたのだけど…あまり情報は持ってないようね。イロイロやってみたけど元々自分達が誰に頼まれていたのか分かってなかった様子よ。顔も隠した状態で頼まれたようで、リリーナがあの場所を通ることだけ聞かされていたみたい。まあ、リリーナに襲いかかった時点で処罰は決定ね。たぶん依頼者も切り捨てるつもりで雇ったと思うわ。」


まあ、すぐに首謀者が分かるとは思わなかったけど収穫はゼロか〜。

私にいてもらっては困る人って誰だろう?

しかも婚約破棄されて領地に帰ろうとしてるのにだ。


私がいろいろ考えていると母が話しかけてきた。


「其れはそうとリリーナ、婚約破棄の件だけど…」


あ、そうだよ。ちゃんと報告せねば。


「申し訳ありません、お母様!私が至らぬばかりにご迷惑をおかけしてしまって…。」


「リリーナ。迷惑だなんて思ってないわよ。むしろ今までよく頑張ったわ。王妃様にも頼まれていたから今まで見逃してきたけど、さすがに今回の婚約破棄は…ないわね〜。私も今回ばかりは黙っていられないわ。リリーナ、あなたはしばらくここでゆっくりしなさい。と言ってもあなたのことだからどうせ魔物狩りでも行こうと考えているだろうけど。」


さすが母、バレてらっしゃる。

別に戦闘狂なわけではないけど適度な運動は必要だ。


「あっ、それからリリーナ。あなたレオン王子の新婚約者っていう人の顔を見たのでしょう?誰だったのかしら?」


「…それが今までお会いしたことのない方だったと思います。私もじっくりお顔を拝見はしなかったのですが。パーティーなどではお見かけしたことはなかったはずです。確か名前は…アンジュ様だったかしら。」


「そう、見たことない方だったのね。お名前はアンジュ嬢…うーん私も分からないわ。リーフに連絡して調べてもらわないとね。」


そうだね、父なら調べられるでしょう。

頑張って、父。


「さあ、辛気くさい話しはここでおしまい。今日は久しぶりにリリーナと一緒に食事をとれるわね〜。料理長が張り切ってたわよ。きっとリリーナの好きな物ばかり用意しているんじゃないかしら。」


おお〜、好物ばかりですと〜。

じゃあ、料理長特製のどデカイハンバーグが登場するね!

あときっとデザートはフルーツをこれでもかと盛り付けたタルトだね!

わーい!

私は内心小躍りしながら食堂に向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ