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さて、今のこの状況はどういう事だろう?

順を追って振り返ってみようか。


①今日も好天に恵まれ宿を出発。


➁順調に進み我が領地まであと一歩


③変なのに囲まれる


今、この③の状況。


あー、全然どういう事か分からない。

まずこの人達ダレ?


「……って聞いているのか!」


あー、うん。ごめん聞いてなかった。

周りをぐるっと囲むように顔を隠した男?と思われる人達が行く手を遮る。


①、➁と順調に来てのんびり馬を走らせていたら、途中で倒れている人を見つけた。

慌てて近づいたら具合が悪くて倒れてしまったとのこと。

家がすぐ近くというので送って行く事にしたのだが、街道をそれて人気があまりないところに入ると③の状況に。

嵌められた?

無差別にやってるのかと思ったらどうやら違うみたいだ。


「……おい!あんたリリーナさんだろう?あんたに恨みはないが、あんたがいると困るお方がいるんだよ。悪いがここでネンネしてくれねぇか。」


ふーん、困る人いるんだ。

ネンネねぇ?

ここにいるのが8人。隠れていなければね。

殺気らしきものは遠くからは感じない。

とすればこれで全部ね。

さて、どうしようかな。

サナを見ればもちろん怯える事なく私の指示を待っている。


覆面姿の人達は私とサナが怯えていない事に対して苛立ってきている。


「おい、分かってるのか?お前達はここで消えてもらう!貴族の令嬢が侍女と2人で旅をするなんてバカだなぁ。まあ、オレ達にしてみれば楽な仕事だけどよ。んじゃ、あの世で2人で旅に出した親にでも恨み言をいってくれや!」


そう言うと覆面姿の人達が襲いかかってきた。

まあ、領地に帰る前にひと暴れしておきますか。

どうやら訓練を受けたことのない人達のようだ。

みんなバラバラに襲いかかってくる。

私はサナの方をチラッと振り返り頷く。

よし、やっちゃえ。

私の合図を受けてサナも隠していた武器を取り出す。

ちなみに私は普通の剣だけどサナは鞭だ。

鞭を持ったサナは性格すら変わる。

今も「リリーナ様に危害を加えようとするなんて…ここにひれ伏しなさい!そして生まれてきたことを後悔するのよ!!」とこの有様だ。


サナは放っておいて私もやりますか。

私はサナと違い言葉なんてかけない。

襲ってくる奴に反撃の機会など与えず一瞬で気絶させる。

なんか切るっていうより殴ってる?


あっという間に最初に喋っていたリーダーっぽいのだけになった。


「な、なんだよこれ!聞いてた話しと違うぞ!か弱い令嬢だって言ってたのに…」


そう言うとそいつは仲間を置いて逃げようとした。

が、その背にサナの渾身の一撃が襲う。


「ギャ〜!」


あ、倒れた。

うーん、サナの鞭さばきが上達しているような。

いつの間に練習してたんだろう?

どうやらこれで終わりのようだ。

こんなもので私とサナに挑むなんてバカなのかなぁ。


んで、この人達どうしよう。

邪魔な荷物だよね。

でも、誰が私の命を狙ってきたのか調べないとだし。

面倒だなぁ。

とりあえず覆面は取りますか。

私が覆面を取ろうとしたら、サナが「お手が汚れます。私がやりますわ。」と言ってかなり乱暴に取り始めた。

あ、サナ。もうちょっとだけ力弱めてあげて。

ほら、首が変に締まってるよ。


サナの中々強引な覆面剥がしのおかげで全員の顔があらわになった。

うーん、知らない人達だ。

サナも分からないようだし。


全員気を失ったままの状態だ。

意識が戻ってまた暴れられても困る。

丁度良く覆面の人達の持ち物に縄があったのでちょっと拝借。

後ろ手に縛って、足もぐるぐる巻きにしておく。


このままにしても良いんだけど、後で母に怒られそうだ。

とりあえず領地に向かってこの人達を回収するように手配しなくちゃ。

もう、せっかく楽しく旅を満喫してたのに…余計な仕事増やしてくれて。

本当はのんびり行きたかったが急がねば。

サナが残ると言ったがやめさせた。

鞭を持ったサナは1人にしちゃダメだ。

というわけで私達は覆面だった人達を大きな木にまとめて括り付けて領地へ急いだ。



出来るだけ急いだ結果30分くらいで領地に入った。

すぐに警備を担当する者に連絡をし、サナと共に現場へ向かってもらった。


私は1人、母の待つ屋敷に向かう。

兎に角今の出来事を報告しなければ。

本来ウキウキしながらの帰宅が憂鬱な帰宅となってしまった。


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