第Ⅰ章 登場人物紹介
榛葉昴
銀色ツンツン頭が特徴的な、榛葉家の跡取り候補の一人。
ユーモア溢れる性格で、争いに対する恐れが目立つが、弟や家族を守る為ならば自らを犠牲にすることも厭わない。
才能が無いため榛葉流は使えず、持ち前の身体能力を生かした拳での戦闘を行うことが多い。
榛葉家当主の継承式時に日本国軍が急襲してきたため家を失い、国際的反科学体制組織メロディーラインによって保護された。
その後譲原基地の面々による提案により、メロディーラインと関わりの深い冬峰学園へと通うこととなった。
榛葉翔
黒髪黒眼鏡という大人しそうな容姿を持つ、榛葉家の跡取り候補の一人。昴の弟。
楽観的で恐れを知らない性格で、また、喧嘩や事件によく巻き込まれるという不思議な体質の持ち主で、幼い頃から苦労してきた。
幼いことから榛葉流の鍛錬を続けているため、その腕前は一流。免許皆伝も近いと噂されている。
榛葉家次期当主の座を継承したが直後日本国軍の急襲を受け、榛葉家は壊滅の危機に陥った。
その後生き残った当主、豊介らと共に榛葉流の分家に身を寄せ榛葉家の再興を図る。
武藤修
小麦色に焼けた坊主頭を持つ強面のスーツ男で、榛葉流剣術の免許皆伝者。
現在榛葉流の使い手の中で最強の腕を持っていると称されているが、昔受けた恩から当主、稲一郎に忠誠を誓っている。
榛葉家の騒乱の後、翔らとともに榛葉流の分家に身を寄せた。
陣内寧々(ジンナイネネ)
代々榛葉家に仕える陣内家の娘で現在中学二年生。
そそっかしいところもあるが、真面目な性格から仕事の出来は上々。
昴や翔とは幼馴染で、昔から翔へと好意を寄せているが成就はしていない。
榛葉稲一郎
榛葉家の二十二代目の当主で、厳格な人物。
昴と翔の祖父だが、二人に対しても厳しい言動が目立つ。
榛葉流は免許皆伝の実力の持ち主。
昴に対して長い間隠し事をしていたようだが、それを本人に語ることは無く、榛葉家の騒乱において家を守るために戦い戦死した。
榛葉豊介
榛葉家の次期当主であり、稲一郎の長男、昴と翔の父親である。
父親である稲一郎とは対照的に内向的で、デスクワーク等に才がある。が、榛葉流は免許皆伝済み。
榛葉家の騒乱において当主を継承し、現在は榛葉流の分家に身を寄せている。
時田左右吉
臙脂色のコートを肩に羽織った日本国軍の将校で階級は中尉。
サーベルと自動式拳銃の両方を同時に扱う珍しい戦闘方法を得意とする。
榛葉家の騒乱において、攻め入った日本国軍の指揮官を務めていたが、救援に訪れたメロディーラインの班長、飛鳥に敗北した。
小清水伊作
黒装束に身を包み忍び刀を背負った小柄な忍者。
口数は多いほうではなく、また口下手。
メロディーラインの日本支部13班の副班長。
榛葉家の騒乱において昴を連れ出す任務を任されていたが、途中日本国軍の東雲との戦闘になり、敗北した。
東雲文太
傷を持つ坊主頭とサングラスが特徴的な国軍の若手将校で階級は少尉。
罪人はその罪を必ず償わなければならないという考えの持ち主で、悪人には厳しい。
武術としての太極拳を体得しており、『気』を纏った掌底打ちが得意技。
榛葉家の騒乱において昴らを待ち伏せし小清水を倒すことには成功したが、その後の昴との戦闘において敗北を喫した。
飛鳥久梅
黒装束に身を包み、長い黒髪を背中で一つに束ねた何とも忍者らしい恰好をしたくノ一。
戦いを好む傾向があり、若干S気質。
メロディーラインの日本支部13班の班長。
戦闘には鎖鎌と自身の開発した可燃性兵器を用いる。また、彼女は超能力者で、発火能力も扱える。
当初、榛葉家が全焼するきっかけを作った人物として昴には忌避されていたが、その後打ち解けた。
鈴置福太郎
整った利発的な顔立ちを持つ男。
どこか抜けているようでいて、実際はかなり鋭い思考の持ち主。昴にとっては良き兄貴分といった風。
メロディーラインの日本支部12班の班長。
昴がメロディーラインの譲原基地に来てからは、何かと彼の事を気にかけていた。
藁科澄吉
猛禽類の如き鋭い目つきをした小柄な男。
日本支部一と言われる俊足の持ち主で、その戦闘センスと情け容赦のない性格から、日本国軍からはかなり恐れられている。
メロディーラインの日本支部1班の班長で、日本支部全体の戦闘班の総長でもある。
凶悪な人物だが味方への優しさや気遣いも見られ、彼をよく知る者は皆口を揃えて彼への忠誠を誓う。
高坂金吾
育ちの良さそうなブロンドの髪をした線の細い男。
戦いを恐れ、またわがままな言動も目立つことから彼をよく思わない者もいるが、実力は確かでそこは評価されている。
メロディーラインの日本支部11班の班長。
超能力者で、鎖を自在に操る念動力の使い手。
昴の事を毛嫌いしている様子。
練馬布絵
妖艶な雰囲気を醸し出す妙齢の女性。
誰に対しても一歩も引かない芯の通った言動が目立ち、周りの評価は高い。
メロディーラインの日本支部譲原基地の基地長。
上の命令に逆らい、メロディーラインに保護された昴を冬峰学園に通わせる決定を下した。
重松才志郎
禿げた頭とたっぷりと蓄えた白い顎鬚が特徴的で、まるでサンタクロースの様。
いつも楽しそうで、何でもない事ですぐに笑う。
私立冬峰学園の学園長であり、メロディーラインへの有力な資金提供者でもある。
また自身が重松財閥に身を連ねているために、テロリストとの関係が疑われても少々の事では日本国軍は手を出せない。
鈴置や練馬の提案に乗り、昴を学園に通わせることを快諾した。