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第8話

次の日から晴樹の言った通り殺し屋クラスとの合同授業が始まった。

「え〜と。毎年恒例なんだが、暗殺者クラスと殺し屋クラスとの間で喧嘩が勃発する。決して負けないように。」

斎藤は喧嘩を泊めようともせず逆にそそのかしている様だ。

どうやら先生間でも暗殺者クラスと殺し屋クラスは仲が悪いらしい。

「午前の授業は第3闘技場でやるから遅れないように。じゃぁホームルーム終わり。」

そう言うと斎藤はいつも通り出席も取らずに教室を出ていった。

「第3闘技場ってドコ!?」

「第2闘技場と第4闘技場の隣だ。」

「………。」

と言うなんとも仲良く、微笑ましい会話を交しながら3人は第3闘技場へ向かった。

闘技場へ行くともうすでに殺し屋クラスが着いていた。(何気に斎藤も)

「よし。じゃぁ整列しろよぉ。」

ピリピリした空気を物ともせず斎藤は呑気な声で整列を呼び掛ける。

「はい。じゃぁ説明を始める。まず始めに言っとくが、これから最低1ヶ月は武器を使わない。武器がナイフだろうが刀だろうが武術から始める。」

武術の合格を認定された人から武器の訓練に移るらしい。

「ちなみに合格、不合格は俺の独断と偏見で決めるからよろしく。」

なんとも不吉な宣言をした斎藤の合図で全員が闘技場に広がった。

それから数時間に渡って暗殺者クラスは暗殺者クラスで、殺し屋クラスは殺し屋クラスで各々の担任に指導をされた。




「あ〜。疲れた〜。」

昼休み教室でうなだれている風牙が呟く。

「けっこう疲れるもんだよなぁ。」

正史が風牙に同意をする。

「ってか合格、不合格の決め方が不満。」

「お前は絶対最後の方まで残されそうだよな。」

「………そう言う予言はしない事。」

「……最後まで残されとけ。」

「何か言ったか!?」

不毛な会話が続きそうだと思ったらしく正史が無理矢理止めた。

「午後の授業って何だっけ??」

「え〜と。確か……。」

「現代情勢だ。」

「……先に言うなよ。」

現代情勢の授業はその名の通り現代の情勢を学ぶ授業だ。

近代史と並んで睡眠率が高い授業らしい。

「晴樹!!今日、帰ったらノート見せて!!!」

「あ!!俺も!!!」

どうやら風牙も正史も寝る気まんまんな様だ。

「……起きとけ。」

晴樹がまともな意見を出した所でチャイムが鳴った。




現代の情勢は世界の中心であるワイクランドの世界平和維持隊が表面上の平和を保ってはいる。

しかし、維持隊の圧力により露見はしないものの裏の世界では戦時中と大して変わらない行為が行われている。

その行為を阻止し、本当の平和を導くのがお前達だ。

と斎藤が説明し始めた時にはクラスの30パーセントが睡眠学習と言う奇跡の学習を始めていた。

しかし斎藤は起こそうとはせず、自分も眠そうに説明を続ける。

風牙は我慢できずに寝ようと決心した瞬間横から肩を叩かれた。

横を向くと正史が紙を渡してきた。

(放課後一年の暗殺者クラスは第4闘技場使っていいらしいから行こうぜ。)

多分正史の向こうに座っている晴樹情報だろう。

内容を理解した風牙は正史に向かって親指を上げた。

ちなみに第1闘技場は二年殺し屋クラス、第2闘技場は二年暗殺者クラス、第3闘技場は一年殺し屋クラスがと言う割り当てらしい。

それからの数時間、風牙は放課後が楽しみでワクワクしていた為、現代情勢の時間に一睡もしないと言う偉業を成し遂げた。


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