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第2話

風牙と正史は廊下を歩いていた。

途中で先生に引率された殺し屋クラスと事後処理クラスとすれ違った。

殺し屋クラスと暗殺者クラスが仲が悪いからか、すれ違い様に嫌な視線が向けられたが、2人は無視をして通りすぎた。

ちなみに特別推薦枠で入った5人の内4人が殺し屋クラス、1人が事後処理クラスにいる。

「それにしてもさ、俺ら歩いてるだけで全然見学してないよな。」

呟く正史に風牙はすかさず答える。

「だってさっきから普通の教室しかね〜じゃん。」

「まぁなぁ。」

それから10メートルぐらい歩くと校内地図があった。

「え〜と。何か特別施設は……。」

「お。これ行こうぜ。」

そう言って風牙は地図の左上を指す。

「シュミレーション室??」

「なんかすごそうじゃん??」

「まぁ行ってみるか……。」

そう言う事で2人はシュミレーション室に向かって歩き出した。

「風牙ってさ、何で暗殺者クラスに入ったんだ??」

「ん〜。なんとなく……かな??」

「何だよそれ。」

「別にいいだろ。それより正史はどうなんだよ??」

「俺??俺は隠密に任務をするってのが憧れてさ。」

「へぇ〜。けっこう真面目じゃん。」

「普通は真面目に考えるんだよ。」

そんな会話をしながら2人は歩いて行った。

他に廊下を歩いている人はいない。

「……何か寂しいよなぁ。」

いきなり風牙が言う。

正史は一瞬答えるか迷ったらしく無視をしようとしたが結局は答える事にしたらしい。

「何がだよ??」

「いやぁ。男2人でこうして歩いてるっていうのがさ。」

「…………。」

「……無視すんなよ。」

正史は結局無視を決め込んでしまった。

「お。あれじゃね??シュミレーション室。」

「あ、ほんとだ。」

いつの間にかシュミレーション室に着いたらしく目の前にシュミレーション室と言う表札が出ていた。

「鍵閉まってたりしねぇよな。」

「………もっと早くに気付けよ。」

そう言いながら風牙はドアに手を掛けた。

開いていますようにと言う願望と共に一気にドアを開ける。

幸い、ドアは開いていたようで内に開いた。

しかし中には先客がいた。

「…………。」

「…………。」

中にいた生徒と先生が一斉に風牙と正史の方を向く。

「……何ですか??あなた達は??」

メガネを掛けた知的な女性が話しかける。

年齢は30代前半ぐらいだろう。

「え〜と。新1年生です……。」

「新1年生だと今は学園見学の最中のはずですが??」

「あ〜。担任の斎藤先生が忙しいから各自で見学しろって言ってました。」

正史が事実を告げる。

「じゃぁ見学に来たんですか??」

「はい。一応……。」

「なら後ろの方に座りなさい。今からシュミレーション室の説明をする所です。」

風牙と正史はその言葉におとなしく従い、後ろの方に座った。

ちなみに2人は気付いていないがこのクラスは情報収集クラスで、黒征学園で唯一女子が多いクラスである。

情報収集の具体的な仕事は主に暗殺者と関係がある。

暗殺者と協力して暗殺者を成功に導く情報をリアルタイムで与えるのだ。

優秀な情報家が付いていればどんな暗殺者でも必ずと言っていいほど成功率がかなり上がるぐらいに情報家は大切なのだ。

従って、暗殺者クラスと情報収集クラスは合同授業が多い。

「え〜と。まず始めにここはシュミレーション室です。」

前に立った先生が説明を始める。

「シュミレーション室は、暗殺者クラスと合同で暗殺のシュミレートをする為に使います。他にも過去にあった事例を再現してそのミッションに挑戦してみたり、殺し屋クラスなんかでは決闘などのシュミレートをします。」

それから10分間配られたプリントを参考にしながら先生は話を進めた。

要するに、デモンストレーションや経験値を上げるために使うらしい。

「では、何か質問はありますか??………なければ終わります。暗殺者クラスは知りませんが情報収集クラスは今日はこれで解散です。」

そう言って先生は教室を出て行った。

「うわ〜。なんか近寄りがたい女性ですね。」

風牙が率直に感想を述べた。

「ってか情報収集クラスだったんだな。」

「情報収集クラス??」

「??どうしたんだよ??」

情報収集クラスと言う言葉に敏感に反応した風牙を変に思った正史が風牙の方を向く。

「いや、情報収集クラスには……。」

風牙が何か言いかけた時だった。

「風牙!!!」

後ろから声がかかった。

「何してるのよ!!入学式遅刻なんかして!!!」

1人の女の子が風牙に近寄って来る。

「あれほど遅れるなって言ったのにっ!!!」

「わ、悪ぃ悪ぃ。できれば俺じゃなくて作者に……。」

弁解の言葉を言う風牙を正史が引っ張った。

「おい!!!誰なんだよ!?こんな可愛い彼女がいたのか!?」

「ち、違うぞ!!彼女じゃねぇ。」

「あれ??風牙のお友達??珍しいじゃん。」

何が珍しいんだよと言う風牙のセリフをスルーして女の子は自己紹介をした。

「柊香澄です。一応、風牙の幼馴染みやってます。以後御見仕切りおきを♪♪」

少し首を傾げて自己紹介をする香澄に正史は自分も自己紹介をする。

「忠岡正史です。よろしく。」

「正史くんかぁ。まぁよろしくね。」

正史が自己紹介終わった瞬間に後ろから1人の女の子が走って来た。

「何!?まさか香澄早速逆ナン!?」

「違うわよ!!これが私の幼馴染みでこっちは幼馴染みの友達。」

「え!?例の!?きゃ〜!!!マジでかっこいいじゃん。あ、私、山仲遙って言います。よろしくねぇ。」

「東武風牙です。よろしく。」

テンションが高い女の子に少し押され気味の男の子2人。

「それよりさ、早く寮行かないと部屋なくなるらしいよ!!!」

「嘘!?じゃぁ急がなきゃ!!!あ、じゃぁね風牙。また明日でも会お。」

そう言い残して香澄と遙は走って行った。

「…………。」

「…………。」

「俺達も帰るか……。」

「あぁ……。けっこう疲れたしな。」

そう言う事で風牙と正史は歩いて寮に帰り始めた。

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