第20話
雁原優華……10年前の『あの日』黒き征裁と共に活躍した西院学園の生徒、今は平和維持軍のトップ集団を構成するエージェント。
奈々原朋美、寒川綾と共に平和維持軍の女子部を統括する。
「才色兼備を絵に書いて、色を塗ったら雁原優華になるって言われてるくらいなのよ??」
「それはちょっと誉めすぎだよ。」
「そんな事ありません!!優華さんは全国の女子の憧れなんです!!」
今は香澄と遥による優華を誉め千切る話が15分も続いている所だった。
「それより早く行き先決めないと!!」
「でもこいつらまだ優華さんのすばらしさわかってません!!」
遥が男子陣を指差しながら言う。
「もうわかってるよ。ね??」
優華に聞かれて男4人は一斉に首を振る。
全員優華の前で緊張しまくって一言も喋っていない。
「決めないと私が困るんだから。ほら、香澄ちゃん、遥ちゃんを座らせて。」
立ち上がって優華について喋ろうとする遥を香澄が座らせる。
「じゃぁドコがいい??この紙に書いてある候補地ならドコでもいいから。」
優華はそう言って全員に紙を配る。
紙を見て少し会話を交した晴樹と雄平が発言する。
「……セントラルクがいいと思う。」
「どうしてそう思うの??」
「セントラルクにはゲリラ軍に武器を支給してると噂される会社がある。」
「晴樹くんと雄平くんはその辺の事に興味あるんだ。」
晴樹と雄平の意見に正史と香澄、遥も賛成を示す。
「風牙くんは反対なの??」
優華につられて皆が風牙の方を向く。
「はい、セントラルクは田舎だから……。」
「はいはい。優華さん、風牙も良いって。」
風牙が最後まで言う前に香澄が止めてしまった。
「いいの??」
「あ、はい。もういいです。」
風牙は香澄に睨まれて『田舎は不便だから嫌だ』と言う意見を引っ込めた。
「じゃぁ決まりね。セントラルクに決定〜!!」
優華は花の様な笑顔を見せた。
「そうだ。香澄ちゃんと遥ちゃんはちょっと付き合ってくんない??」
「何かするんですか??」
「黒征学園を案内して欲しいんだけど。」
「喜んで!!」
そう言って女3人は行ってしまった。