表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/23

第1話

ワイクランドの黒征学園では今まさに入学式が始まろうとしていた。

まだお互いに知り合いじゃないせいか、喋っている者はいない。

理事長の高波雄輔が舞台に上がる。

上がった後も前も静けさに変わりはない。

本当に皆生きているのか不思議なくらいだ。

「ようこそ黒征学園へ。私は理事長の高波雄輔だ。」

その静けさに雄輔の声は朗々と響いた。

「諸連絡及び注意などは担当の先生にしてもらう。」

余計な話などせず、必要最低限の話を告げて雄輔は舞台から降りていった。

それから生徒にクラス分けのプリントが渡された。

殺し屋クラス30人、暗殺者クラス20人、情報収集クラス20人、事後処理クラス15人と言うクラス分けだった。

それから15分後にはそれぞれのクラスで点呼が行われていた。

暗殺者クラスでは、遅刻者がいるらしい。

「東武風牙。……東武はいないのか??」

暗殺者クラスの担任の斎藤が言うが返事はない。

すると、突然教室のドアが開いた。

「すいません!!遅れた!!……ました。」

「………。」

クラス中に沈黙が流れる。

「え〜と。マジでごめんなさい。どうやらこの作者は主人公を遅刻させるのが好きらしくて……。」

意味不明な事を言いながら風牙は開いている席に座る。

「……え〜。次は……。」

どうやら斎藤は無視する事に決めたらしい。

「入学早々遅刻かよ。災難だな。」

風牙が座った隣の席の男子が話掛ける。

「あぁ。かなり道に迷った。ややこしすぎるんだよこのへん。」

「あ、俺は忠岡正史って言うんだ。よろしくな。」

「東武風牙だ。風牙でいいぜ??」

「そこ!!!私語をするな!!!」

自己紹介を終えた2人に斎藤の激が飛ぶ。

「注意事項や規律は今渡したプリントに書いてある。それと、お前達は今日から寮で生活する訳だが、外出時には外出届けが、外泊時には外泊届けがいるから注意するように。何か質問は??」

「寮の部屋はどうやって決めるんですか??」

正史が手を挙げながら言う。

「自由だ。それと午後からは学園案内って事になってるけど俺は忙しいから勝手に見学でもして来い。以上。」

斎藤のその言葉を最後に暗殺者クラスは解散になった。

ちなみに暗殺者クラスの男子の数は18人、女子は2人である。

「寮ってどこにあるんだ??」

遅刻したせいで何も知らない風牙が正史に聞く。

「学園領内にあるはずだぜ??」

「ふ〜ん。じゃぁ今から寮に行くか。」

そう言った会話の後、2人は教室を出て行った。

「風牙って推薦組??」

歩きながら正史の声に風牙が首をかしげる。

「推薦組??なんだそれ??」

「は??だから一般入試なのか推薦入試なのか特別推薦枠なのか聞いてるんだよ??」

「一般入試??特別推薦枠??何だよそれ??」

「………推薦入試なんだな。わかった。」

「おい正史!!俺の質問に答えろよ。」

「ちなみに俺も推薦入試だ。」

「………。」

どうやら風牙は黒征学園の入試制度についての説明を潔く諦めたらしい。

「あ、ここじゃね??黒征学園男子寮って書いてるじゃん。」

「男子と女子分かれてるんだな。」

「まぁしゃぁね〜よ。」

2人が中に入ると何人かの生徒がいたが、まだ多くはない。

「すいません。寮の登録したいんですが。」

正史が受付にいる管理人らしい人物に声を掛ける。

「クラスは??」

「暗殺者クラス。」

「じゃぁB塔だ。何階ぐらいがいい??」

「1番上で。」

正史の後ろから風牙が叫ぶ。

「ちなみに俺も暗殺者クラスだからさ。こいつと隣の部屋で。」

「………何勝手に決めてるんだよ??」

「いいだろ。1番上がいいに決まってる。」

それから10分ぐらいして正史は風牙に何を言っても無駄だとわかったらしく諦めた。

「………しんどい……。」

20階まで上がって来て風牙が言った。

「あたりまえだろ……。1番上は30階だぜ??」

ちなみに黒征学園の寮にはエレベーターはない。

だから殆んどの生徒は下の階に住むのだ。

「でもいいだろ??1番上は俺達だけだしよ。」

「屁理屈を言うな。」

30階に着く頃には2人とも何も話していなかった。

「………。」

正史が何も無言でドアを開ける。

「正史。」

「何だよ??」

「荷物部屋に置いたら見学行こうぜ。」

「あぁ。わかったよ。」

10分後には2人はまた息が上がった状態で1階のベンチに腰かけていた。

「どこに行く??」

「とりあえずぶらぶらしようぜ。」

そう言って2人は歩き出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ