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第14話

風牙は事務室の様な所に立っていた。

耳にはイヤホン型通信機が付いている。

任務内容や現在状況は香澄が今調べているはずだ。

ボーっとしていても意味が無いので風牙は装備チェックを始めた。

武器はバタフライナイフとコンバットナイフだった。

「……また嫌がらせかよ。斎藤のやろぉ。」

思いの外ショボい武器に風牙は落胆する。

一通り点検をし終えた風牙は、今度は部屋を調べ始めた。



その頃香澄はワークステーションのキーボードをたたいていた。

香澄はワークステーション一台と任務内容などが書いてあるプリントが置かれた部屋に移動したのだ。

もうすでに任務内容把握、目標建造物把握をし終わっていた。

後は風牙を見つけて通信を繋ぐだけなのだかなかなか風牙が見つからないのだ。

「あのバカッ!!ドコにいるのよ??勝手に移動とかしてないでしょうね。」

その心配は杞憂に終わるのだが風牙は違った意味でアクションを起こしていた。




部屋の調査が一段落付いた時風牙は部屋の外に人の気配を感じてドアの横の壁に背をつけた。

その瞬間にドアが開いて人が入って来た。

特に武装もしていない普通の事務員だった。

風牙は一瞬迷った末、事務員の首に手刀を叩き込んだ。

気絶して力が抜けた事務員を風牙が支える。

「うわっ!!女じゃん。僕女の人とこんなに密着したの始めて。」

とギャラリーがいないのにボケてみた所で香澄から通信が入った。

「やっと見つけた!!ずっとそこにいた??」

「何だよ。ずっといたぜ。お前の腕が未熟だからめちゃくちゃ待ったじゃんかよ。」

「……ごめんなさい。じゃぁ今から任務内容説明するね。ってかその人なに??」

香澄は風牙のそばの生命反応を見て声を上げる。

「あ〜。大丈夫だから早く説明しろよ。」

香澄の説明によると今回の任務はファイルの奪取だった。

このビルの一番上のファイルを手に入れて無事生還出来れば任務成功らしい。

「頑張って1時間ってトコかな??」

「今まで1時間もシュミレートしてた奴いないだろ??」

「誰も成功してないって事でしょ。」

「じゃぁ俺達が最初か。」

風牙が香澄に指示を仰ぐ。

「今風牙は2階にいます。目標は10階。方法としたらエレベーターと階段があるわ。それとその階には事務員しかいません。」

それを聞いた瞬間風牙は部屋から出た。

「ちょっ……!!まだ説明し終わってない!!エレベーターは北東。階段は北西方向。」

自然と香澄の口調が早くなる。

それにもかかわらず風牙は淡々と北東へ向かう。

途中香澄の

「そこ右。」

とか

「北北西に敵。」

と言った事務的な情報が与えられる。

「エレベーターが見えた。敵は??」

「大丈夫。今はいないわ。」

「じゃぁ次のに乗る。何かあったら言ってくれ。」

運良く風牙は敵に見付からずにエレベーターに乗り込んだ。

風牙はエレベーター上部の板を外しエレベーターの上へ移動した。

「なんか余裕だな。」

「私のナビゲートのお陰よ??」

「はいはい。そぉっスね。感謝してマス。」

棒読み。

「………。」

無視。

変なペアだった。

「これからどうするの??」

「通気孔通って行こうかなって思ってるんだけど??」

「ん〜。まぁ妥当かな。通気孔は一旦外に出て左に真っ直ぐ10メートル行けばあるわ。」

香澄は確かに頼りになるナビゲーターだ。

風牙も頭では分かっているらしく素直に聞いている。

エレベーターは4階8階と止まり無人のまま10階へと着いた。

風牙は誰も乗って来なければすぐに飛び出せる様に待ち構えた。

エレベーターのドアが開き、誰も乗って来ないのを確認して風牙はエレベーターから飛び出た。


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