プロローグ
この作品は『黒き征裁』の続編です。
『白い暗殺者』だけでも楽しめますが、『黒き征裁』を読んで頂くとより一層楽しんで頂けます。
『黒き征裁』を読まれていない方は是非とも『黒き征裁』も読んでみて下さい。
前作から引き続き読んで下さっている方は、前作よりもいい作品にしたいと思いますので今後ともどうぞよろしくお願いします。
前作で残った謎も解明していきたいと思いますので気長にまっておいて下さい。
では、『あの日』から10年後の世界です。
どうぞお楽しみ下さい。
長かった冬がようやく諦めて春が頑張り暖かくなって来たころ、ワイクランドにある黒征学園では第3回目の入学式が行われる事になった。
黒征学園は10年前のまだ霊力と言うものがあった時代には優秀な人材を集めて戦闘の英才教育を行う場所だったらしいが、今では、すこし主旨が変わっている。
10年前に『黒き征裁』を中心とする『漆黒の死神』が霊力源を潰したとの噂が流れてから突然とある勢力がでて来た。
噂によると西院学園と言う学園の元生徒らしく、『黒き征裁』とも繋りがあったらしい。
その集団が世界各地の戦争を抑え周り、今では表面上の平和がこの世界に訪れている。
戦争中の世界の中心であった、古代3ヶ国はバラバラに分裂し、世界の中心であるワイクランド世界平和維持隊本部を設置したその勢力が今の黒征学園を運営している。
世界平和維持隊は世界各地から優秀な人材を集めて、将来の諜報員を育てているのだ。
その理由は世界の各国は表面上の平和は保っているものの、裏では殺し屋や暗殺者を使い、他の国を滅ぼそうとしているのを阻止する為である。
ちなみに黒征学園の理事長は高波雄輔と言う男がやっている。
昔は『黒き征裁』の右腕の情報屋としてかなり活躍したらしい。
世界平和維持隊のトップの2人も昔『黒き征裁』と同じぐらい強かったらしい。
『暗黒の死神』の話は都市伝説としてほとんど知っている子供が今はかなり多い。
黒征学園に入る男子はほとんど『黒き征裁』に憧れて入って来る。
もちろん平和維持隊のトップである上坂拓也や安永順一郎に憧れて入って来る奴もたくさんいる。
過去の黒征学園は学部と言うものがなかった。
しかし、今は暗殺、殺し屋、情報操作局、事後処理局の4つに分かれている。
殺し屋部門は名前の通り殺し屋になり、暗殺部門は秘密の仕事なども扱い、情報操作局は補佐及び情報収集、事後処理局は事後処理の全てを行う技術を身に付ける。
だいたいの女子は情報操作局に所属する。
霊力がなくなった今、霊力があった時よりもかなり技術が高くなっていて、機械などの施設もかなり充実している。
これが今の大体の現状だ。
そして、この春に入学する85人の内、一般入試で入ったのが5人、推薦入試で入ったのが75人、特別推薦枠で入ったのが5人である。
特別推薦枠とは世界平和維持隊が直接選んで集めて来た世界各地のエリートである。
特別推薦枠で入学した生徒の殆んどは将来、世界平和維持隊の本隊に配属される。
しかし卒業できるのは入学者の半分ぐらいらしい。
なぜそうなるのかはわからない。
そんな黒征学園の入学式が今まさに行われようとしていた。