殴られる
紗英ちゃんからもらった袋にはお守りが入っていた。
そのお守りには片方に共、もう片方には信の文字が書いてあった。
俺はあまりその事を考えずにそのお守りをポケットに入れて俺は足早に学校へ向かった。
いや、もう足早に学校へ向かったとしても遅いか…
そう。
まだ学校へは五分はかかる所だが、授業が始まるまであと約一分しかない。
普通の人間なら到底無理なものだ。
しかし!!
俺にはできる。
可能なのだ。
行くぞっ!本気のダッシュ!!
はっはっはっはっは。
そうこうしてるうちに学校へ到着。
残り時間は約五秒。
さっき本気のダッシュを使ってしまったし、
クラスの教室は二階にある。
ここで新兵器•地味!!!
これを使って気づかれずに教室へ入りあたかも最初からいたかのように振舞えば問題はない。
しかし、一時間目はなんだっけな?
まあいいか。
姿勢を低くし、ゆっくりと教室の中を見る。
見たところ先生が教壇にいない。
よかった。
一時間目は自習か…
ドアを開け、大声で
「おはようございまーす!」
と言った。
しかし、その声はある人の存在感だけで消えて行った。
そう…鉄拳先生が俺の前にたたずんでいたのだ…
そしてもう一つやばい事が頭によぎる。
「森崎…遅刻はこれで何回目だ?」
「三回目であります!!」
あまりの威圧感につい敬語になってしまう。
それほど怖い。
まるで軍隊の教官かはたまたそれ以上か。
とにかく怖い。
「森崎…仏の顔も三度までということわざを知っているか?」
「わかっております!!」
「そうか…わかっているのか…。」
そして、いつもの様に二人して大声で笑う。
そしてお次だ。
「森崎ぃ!覚悟はできてんだろうな!!今回は一ヶ月ぐらい帰ってこれなくしてやるよ!」
「先生!!それは危険かと思われます!!!!」
「問答無用ぉぉぉぉぉ!!!」
バッキィィィ!!
「へっぶっち!!!」
それを最後に俺は廊下の窓を突き破り何処かの山まで飛ばされた。
気がついたらそこには見知らぬ天井があった。
俺は布団の中に入っていて、起きて見ると畳の部屋に俺はいた。
また、そこにはじいさんが茶を呑んでいた。
「あの…」
「起きたか若いの」
「あなたは?」
「人に名前を聞く時には、まず自分からと習わなかったのかい?」
めんどくさい爺さんだ。
「俺は森崎」
「ワシはここの道場の師範じゃ」
「師範?あんた強いのか?」
「どうかのぅ」
強くないのかよ。
「それにしても若いの、山の頂上付近の所で刺さっていたがあれはなにしたんじゃ?」
「あれは……分からん」
「そうか」
「じいさんが助けてくれたんだろ。じゃあここから町へ帰る道を教えてくれよ」
「ほう…お主、お礼を言わんのかいな」
「そうか、じゃあ、ありがとう」
「貴様…ここから礼儀を一から学んでゆけっ!!」
「は?じいさん何言って」
バキッ!
「ヘブチッ!!!!!」
俺は殴られたとしか分からなかった。
俺は仰向けに倒れていた。
「ほぅ。お主、弱いのぉ」
この言葉を最後に俺はまた気絶をした。
すいません、投稿が遅れてしまいました。
年末忙しかったもので、本当すいません。
そして、あけましておめでとうございます。
何か地味に急展開です。