始まりの歌 2
「君の家さぁ、お金あるんでしょう?だからさぁ、別にちょっとぐらいいいんじゃないの?ねぇ。」
「私…お金…持って…ません。」
「嘘言ってんじゃねえよ!」
金を欲しがっている男が怒って壁を叩き鈍い音が響く。
おいおい一体どこの奴だよ女の子から金とろうとか考える奴は。
普通は大人しそうな男からこういう事やるだろう。
音を立てずに扉を開けて、その光景を見てみた。
男はよく見えた。
不良。まさしく不良。絶対不良。それ以外の言葉がないくらい不良。
女の子は男に隠れていて見えなかった。
女みたいな男ではなく、正真正銘の女の子だった。
というよりか、この状況まずくないか。
どうする?先生を呼ぶか?
「こんな事はしたくないけど、痛い思いをさせなくちゃいけなくなりそうだな。」
「本当に……持って…ないんです。」
女の子は泣きそうだ。
どうする?先生を呼びにいくにも時間がかかりすぎる。
女の子がその間に何をされるか分からないぞ。
どうするか…。
男はなんかメリケンサックをつけてる予感がするんだよなぁ。
いたそうだなぁ…。
.................................。
答えは決まったようなものか畜生!
「さて、これが最後のチャンスになると思うよ。金を早くだせ!」
「本当に…………ないんです。」
「じゃあ、どうなるか分かってるよねぇ!!」
男が手を振り上げた。
その時、女の子の目から一滴の涙がおちた。
その涙がおちたとき、自分の中で何かが切れた。
そして、俺は思いっきりドアを殴っていた。
しかしそれは、ドアが開いた事、俺が気づかれた事、俺の右手が痛みをおびた事しか残さなかった。
少しの間があった。
「てめぇ、いまの話聞いてやがったなぁ!」
不良が叫ぶ。
「お前…女の子泣かして楽しいのか?女の子から金とってプライドってもんはないのか?」
「は?お前はなにいってんだ?まぁ、いい。いまの話を聞いていたら
しいからなぁ!ここから無事に帰れると思うなよぉ!」
男がこちらに走って向かってくる。
相手はメリケンサック、俺は素手。
でも気のせいか負ける気がしない。いや、負けちゃいけないんだ。女の子を泣かせて何も思わない奴を俺は許しちゃいけない。
だからこそ、奴を.........ぶん殴る!!
「うぉぉぉぉぉ!」
殴る!殴る!ぶん殴る!!
バキッ!
「ぐはっ!」
俺の右手が相手に届く前に俺の腹に痛みがはしる。
俺は倒れそうなったが、たちひざまででとどまった。
「おいおい、さっきの勢いはどこにいったんだよ。俺はボクサーの子供だからな、少しは鍛えられてんだよ。」
くそっ!なにくらってんだよ!相手が強かろうと俺は勝つんだ!勝たなきゃいけないんだ!たて!たてよ!くそっ!
どこっ!
また腹に痛みがはしる。
どこっ!
何度も腹に痛みがはしる。
くそっ!くそぉぉぉぉぉ!
どれくらい殴られただろうか、もう数えられないほど殴られたか、それとも意識がヤバイか、それともどちらもか。
もうダメか…。かっこ悪いな俺は。威勢がいいだけのただの弱者かぁ…。そういえば、女の子はどこにいったんだろうか。
まぁ、いいか。こんな姿を見られるなら逃げてもらった方がいいよなぁ........。
まぁ、死ぬわけじゃないからな。
痛みも感じなくなってきたなぁ。感覚も狂ってきたのかぁ。
ひでぇな俺は。
もう、倒れそうだ…。
....................................。
おかしいな。殴られてる音がしない。
.................。
目を大きく見開いてみるか…。
目をきちんと開いた瞬間、そこには不良が横たわっていた。
その隣に立っている強面の奴がいた。
誰だ?目が霞んでよく見えない。
「…さき!も…き!」
誰の声だ?よく聞き取れない。
「この!根性なしがぁぁぁぁぁぁぁ!」
バキッ!!!!
いままでで一番の音と痛みが顔にあふれた。
分かった。分かったぞ。あの先生、絶対にぶちころしてやるっ!!
これを最後に俺は意識を失った。
なんか凄くよみずらい物になってしまいました。すいません。ダメなところはいってください頑張ってなおしてみます。