始まりの歌 1
今回は学園の恋愛系のお話です。
俺は高校一年。
普通の高1の子供だ。
普通の成績だし、運動神経はあまりない。
恋愛だってする。
だけど、変わっている部分が一つだけある。
それはちょっと痛い人だということ。
つまり中二病みたいなもの。
そう、ちょっと痛いだけ、ちょっと…。
まぁ、話を進めましょう。
さて次は…。
「森崎!」
「……は…い?」
「なに寝てんだこの野郎……!」
そうか…。
今は数学の授業だったか…。
「なに言ってるんですか~。先生の授業を寝るなんて滅相もございませんよ。」
「そうか~。」
「はっはっはっはっはっはっ。」
「はっはっはっはっはっはっ。」
「よし!森崎よ!今すぐ宿題の問題全部答えろぉぉぉ!」
「やってませぇん!」
「バカやろぉぉぉ!」
バキッ!
「へぶちっ!」
顔の右側にストレート。
これは痛い。
やられた人にだけ分かる先生のストレート。
「ぶったね!」
バキッ!
「へぶちっ!」
二発目。
「二度もぶったね。親父にも」
バキッ!
「へぶちっ!」
名台詞を言わせんと三発目。
「三度もブチやがってあの教師…!」
「お前が悪いんだろ。全く数学の時間は寝た
ら殺されるって忘れてたのかよ。」
こいつは遠藤。
まぁ、簡単に言うと俺とよく話す奴だな。
「眠いもんは眠いんだ。」
「お前…いつかボコボコにされっぞ。」
「俺の体は丈夫なんだよ。」
「あの教師の鉄拳をお前何回も食らっていきてるから…まぁ、生命力はあるな。」
「ふっ、まさしく私は選ばれたにんげ」
バキッ!
「へぶちっ!」
今度は遠藤に殴られる始末。
「もう時間か、じゃあな森崎。」
何事もなかったかのように去って行く遠藤。
「ふざけんなぁぁぁぁぁ!!!!」
次々とみんな教室から出る。
「じゃあね~。」
………。
「おうおう。青春だな森崎。」
何故か遠藤が。
「お前帰ったんじゃないのかよ。」
「話をそらすな森崎…お前紗江ちゃんの事好きなんだろ。」
桜 紗江。
おとなしい少女というイメージにバッチリはまっている女子だ。
「ちげえよ…。」
「おいおい、長い付き合いだから分かるもんなんだよ。」
「違うもんは違うんだよ!」
「まあまあ、そう怒るなって。」
こういう時の遠藤は苦手だ。
早く逃げるか。
「じゃあ、俺は帰るな。」
平静を装って言う。
「屋上か…。」
遠藤が察した様に言った。
「お前は不利な状態になると絶対屋上行くからな。」
なんちゅうやつだ。
確かに俺の行こうとした所もあっているし、その目的もほぼあっている。
「まぁ、じゃあな。」
遠藤が手をふった。
俺も平静を装って手をふった。
俺はゆっくりと屋上へ続く階段をあがっていた。
「なんだよ、あいつ…。」
遠藤が言ってる事は百発百中。
確かに俺は紗江の事が好きだ。
入学式の後、とりあえず絶対行くと思われる屋上を見て帰ろうとして、屋上の扉をゆっくりと開けて、顔を出して周りを見てみたら、
そこに彼女がいた。
住宅街の方を向いていた彼女の後ろ姿が、桜がまっていたせいかもしれないが、とても可愛かった。
まさしく一目惚れと言ってもいいくらいな物だ。
俺はその後、ゆっくりと扉を閉めて全速力で帰った。
最後に彼女がこちらを振り向いた様に見えたけれども、俺は気にしなかった。
いや、自分の心がぐちゃぐちゃしてそれどころじゃなかったんだろうな。
こんな感じで、俺は彼女の事が好きになった。
そして、いつもあの日のように屋上の扉を開けた。
今日も同じように扉をゆっくりと開けた。
だけど、途中でその扉を開くのをやめた。
いや、本能的に止まってしまったと言った方がいいかもしれない。
屋上から声が聴こえていた、
「なあ、お前金あるんだろ。出せよ。」
「いや…です。」
という声が…。
だけどその声は男と男の声ではなく、いやと言った言葉が明らかに女の子の声だった…。
初めてですが、頑張りました。面白かったら幸いです。