第77話 街道の襲撃
南へ向かう街道。
商隊は順調に進んでいたが、森の奥から低いうなり声と、枝を踏み鳴らす音が聞こえ始めた。
「……何か来るぞ」
冒険者の一人が警戒の声を上げる。
次の瞬間、山賊の一団が木々の間から姿を現し、街道を塞いだ。
商人たちは恐怖に顔を青ざめさせ、荷馬車が混乱に包まれる。
リオンは肩の猟銃を軽く構え、冷静に前へ出た。
「俺に任せろ」
銃声が轟き、山賊の盾を正確に撃ち抜く。
続けざまに放たれたボウガンの矢が、敵の陣形を乱し、悲鳴が森に響いた。
護衛兵たちはその光景に目を見張り、恐怖と敬意が入り混じった声を漏らす。
「……まさか、子供一人で……!」
「これがリオン君の力か……」
戦闘が終わると、リオンは淡々と倒れた山賊の討伐証明を護衛兵たちに任せた。
そして商隊の安全を確認し、肩の猟銃とボウガンを丁寧に戻す。
「これで安心だ」
商隊の人々は胸をなで下ろし、護衛兵たちもリオンの実力に深く感服する。
こうして、街道沿いの森や丘を越えながら。
銅級冒険者リオンの護衛任務は、無事に南のリトルリア王国へと続いていくのだった。




