第76話 新たな旅路
リオンは護衛対象の商隊と共に、南へと続く街道を歩き始めた。
荷馬車が並び、商人は道中の安全をリオンに一任している。
「リオン君、本当に頼みますよ」
商隊の商人が緊張気味に声をかける。
「安心して。俺がついてる」
鼻歌を交えながらリオンは肩の猟銃とボウガンを確認した。
街道沿いの森や丘を進むうちに、小型の魔物が数体姿を現した。
リオンは素早く銃を構え、的確に撃ち抜く。
一体が倒れると、残りも恐怖を察して逃げ去った。
商隊、護衛の冒険者たちは驚きつつも、リオンの行動に従い、商人たちを安全に誘導する。
「……銅級なのに…頼もしい」
冒険者たちは互いに目を合わせ、リオンの戦闘力に改めて感服する。
その日の行程を終えると、商隊は無事に宿場町へ到着した。
リオンは荷馬車の整理や警戒を確認した後、軽く肩をすくめ、街道に目をやる。
「護衛はこれくらいで十分。次も気を抜くなよ」
少し偉そうに護衛の冒険者達に注意をして銅級冒険者として、初めての南への護衛任務は順調に進んでいた。




