第72話 鼻歌の街道
西側ライストア王国へ向かう街道。
商隊は順調に進んでいたが、森の奥から不穏な物音が聞こえ始めた。
「……何だ、この気配は?」
護衛兵の一人が不安げに呟く。
その瞬間、茂みを薙ぎ払うようにして、オーク二体と大型魔獣が現れた。
「こ、こんなに……!」
護衛兵たちは思わず後ずさる。
しかし、リオンは平然と立ち上がり、猟銃を肩に構えた。
「鼻歌の時間だな」
轟音と共に銃弾が飛び出す。
オークの膝、正確に撃ち抜き、次々と倒していく。
ボウガンから放たれる矢は、大型魔獣の急所を貫き、悲鳴を上げさせた。
護衛兵たちはその光景に圧倒される。
「……子供一人で、こんな……」
「しかも、楽しそうに戦っている……」
戦闘後、リオンは倒れた魔物の証拠を確認し、護衛兵たちに向けて一言。
「討伐証明はまとめてくれ。俺は護衛に専念する」
護衛兵たちは手早く証拠品を整理し、リオンの言葉に従った。
リオンは軽く笑い、猟銃とボウガンを肩に戻す。
「これで商隊も安心だな」
商隊の人々は胸をなで下ろし、護衛の冒険者たちもリオンの実力に深く感服した。




