第70話 西へ
リオンは冒険者ギルドで銅級に昇格した。
これで、より危険度の高い依頼や護衛任務も自分で選べるようになったのだ。
「……よし、護衛任務ならこれからの旅にちょうどいい」
鼻歌を口ずさみながら、リオンは王都の街を歩いた。
まずは、フィリップ男爵の屋敷を訪ね、お礼を伝える。
「男爵様、ありがとうございました。おかげで護衛任務も受けられるようになりました」
フィリップ男爵は満面の笑みで頷いた。
「リオン君、君の腕ならどんな依頼も安心だ、気を付けて旅を楽しんでくれ」
令嬢も元気いっぱいに手を振る。
「リオン君、気をつけてね! 隣国のライストア王国を楽しんでね!」
リオンは微笑み、少し照れくさそうに頭を下げた。
「ありがとう。必ず無事で戻る」
その後、リオンは街道沿いの宿で荷物を整え、ライストア王国へ向かう護衛任務を引き受けた。
馬車も使わず、徒歩で街道を進む。
猟銃とボウガンを確認しながら、リオンは心の中で軽くつぶやいた。
「西側か……気を抜かず、任務を全うするだけだな」




