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スキル《家転移》で元傭兵の俺は静かに笑う。  作者: 山田 ソラ


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第65話 正式な依頼

 リオンはフィリップ男爵の屋敷を後にし、王都の冒険者ギルドへと向かった。

 大理石造りの立派な建物。扉をくぐると、活気に満ちた声と武具の金属音が飛び交っていた。

 受付嬢がリオンに気づき、笑顔を向ける。


「本日はどのようなご用件でしょうか?」


 リオンは腰の袋から、鉄で作られた冒険者証カードを取り出し、差し出した。


「依頼を受けたい。依頼主はフィリップ男爵。街道沿いの魔物討伐だ」


 受付嬢は少し目を見開き、書類を確認する。


「……確かに、男爵からの依頼が届いています。ただ、こちらは危険度が中級に分類されています。鉄級のリオン様が受けるには条件が必要ですが……」


「依頼主からの直々の推薦がある」

 

 リオンは依頼証明の印が押された手紙を差し出した。


 受付嬢は驚いたように目を丸くし、それを確認してから深々と頭を下げる。


「……承知いたしました。推薦状により、特例として受注が可能です。達成すれば銅級への昇格も審議されるでしょう」


 ギルド内の冒険者たちがざわつき始めた。


「おい、あのガキ……まだ鉄級だぞ?」


「なのに男爵の推薦? どんなコネだよ」


「見た目は子供なのに……雰囲気がただ者じゃないな」


 リオンは周囲の視線を気にも留めず、受付嬢から討伐依頼の証明書を受け取った。


「ありがとう。必ず達成する」


 その瞳には、かつて傭兵だった頃と同じ冷徹な光が宿っていた。

 リオンの胸には確かな実感が芽生える。


「……ここからだ。俺は、俺自身の力で上に上がる」

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