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第56話 秘密と研究
秘密の倉庫。
セーフハウスに二人だけで足を踏み入れた。
リオンは深呼吸し、ゼルファに向き直る。
「ゼルファ……実は、俺には秘密がある」
ゼルファは興味津々でリオンを見つめる。
「俺のスキルは異世界の家を移動させられる。ここなら、誰にも邪魔されずに魔導学や発明ができる」
リオンは静かに、しかし確信を持って語った。
ゼルファの目は輝き、すぐにパソコンに興味を示す。
「これ、面白そう……! 使えるようになりたい」
それから数カ月。
ゼルファは独学で英語と日本語を習得し、パソコン操作もマスターした。
設計図の作成、データ整理、魔導装置の解析も自在にこなせるようになる。
二人は秘密の倉庫の中で、試作装置を次々と作りながら研究を進めた。
光の投影、音の演出、魔石の応用、装置の改良。
互いに意見を出し合い、試作を繰り返す日々だった。




