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第55話 秘密の倉庫
リオンはゼルファを商会の裏手にある静かな場所に連れて行った。
木々に囲まれた小道を抜けると、周囲には誰もいない倉庫がある。
「ここで見せたいものがある」
リオンはゼルファに目配せし、息を整える。
そして静かに心の中で唱える。
《家移転》
倉庫内に光が瞬き、空間に扉と壁が浮かび上がる。
目の前に現れたのは、セーフハウス。
内部には整理された作業台、棚、工房設備が整う秘密の家だった。
「な、なんだこれは……!」
ゼルファは目を丸くして後ずさりし、興奮混じりに声を上げる。
「ここなら誰にも邪魔されずに、魔導学や発明ができる」
リオンは静かに説明し、倉庫の中の家へとゼルファを招き入れた。




