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第20話 襲撃と偽装
夜。
アルベール領地の小さな宿屋。
リオンはボウガンを手に構え、静かに奇襲を待っていた。あの兄と継母が自分を生かすとは、最初から思えなかった。
突如、窓が破られ、複数の影が屋内に滑り込む。
刃の光、鎧の軋み、油の匂い。明らかに、待ち伏せの襲撃だった。
「……来たか」
リオンは身を低くし、冷静に襲撃者たちを迎え撃つ。
ボウガンの発射音が闇を裂き、矢は一人、また一人と正確に標的を貫いた。
襲撃者たちは叫び、倒れ、床は赤く染まる。
数瞬の戦闘で屋内は再び静寂に包まれた。
リオンは倒れた者たちを冷たい目で見渡す。だが、ただ殺すだけでは足りない。
兄に『俺は死んだ』と思わせるため、完全な偽装が必要だった。
リオンは残った肉片を手際よく処理し、体を切り分ける。
そして、子供の形に寄せて偽装する。
布で巻き、骨や肉を繋ぎ、まるで宿屋で犠牲になった小さな子供がいたかのように見せかけた。
最後に、藁と油を屋内に撒き、火をつける。
炎が宿屋を包み、夜空には赤い煙がゆっくりと立ち上がった。
リオンは静かに背を向け、隣国の森へと足を進める。
夜の闇に紛れ、彼の足跡はまるで存在しなかったかのように消えていった。




