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終わりのない日常  作者: 路傍の石でありたかった
1/1

始まり

日常が崩れるけど周りには気づかれてない的な感じのお話結構好きなんですけど、自分の想像力でどこまでそんなお話が書けるのか、ちょっとやってみたくなった。動機は以上です。

どんより曇り空からポツポツと雨が降ってきた。本降りになる前にと急いで漕げば漕ぐほど、メガネに着く水滴は数を増していく。

顔に降り注ぐ冷たい雨とブレる視界に、俺の気分は急降下していた。



毎日同じように起き、同じように学校に行き、同じように家に帰り、同じように眠りにつく。

仲のいい両親がいて、友達もそこそこ、ちょっといい関係になれそうな子もいる。普通に楽しい普通の毎日。

そんななかでもちょっとだけ運の悪い、それでも帰って残っていたお中元のプリンでも食べればそのまま忘れてしまうくらいの、そんな普通の1日だった。



雨は留まることを知らず、その勢いを増していくばかり。比例して悪くなっていく視界と、周囲の音が雨音に遮られることに苛立ちを感じずにはいられなかったが、帰ったら風呂、それからプリンと心に誓うことでイライラを鎮め、全力でペダルを踏みしめる。


最悪な視界でもかろうじて分かる信号機の鈍い青を見つけて、あの交差点を越えればもうすぐ家だ、快適なハウスが俺を待っている。と希望を胸に抱き青信号に全力で突っ込んでいったそのとき。




体に大きな衝撃。後に全身の痛み。




メガネは吹っ飛び、視界は悪くなるかと思いきや、水滴がなくなったからか妙にクリアに見える。

広がる赤の鮮やかさと、変な方向に曲がる腕。動かない体。


視覚も聴覚も雨にやられていて気づかなかった。トラックが突っ込んできているなんて。



ああ、俺は轢かれたのか。痛いなぁ。これじゃ今日はプリン食べられないな。



とんでもない状況のはずなのに、妙に冷静になっていた。プリンどころじゃなく、このまま死ぬのだろう。それでもあんまり怖くないのは、短くてもなんだかんだ悪い人生でもないし特に目指すものもないよくも悪くも大したことのない人生だったからなんだろう。



告白ぐらいはしても良かったのかな……



そんなことを思いながら目を閉じ、近づいてくるはずなのに遠ざかる救急車の音と薄れていく痛みに少しのおかしさを感じながら、俺は意識を失った。

終わりなのだと思った。思っていた。







鳴り響く目覚ましの音。

いつも通りの1日が始まる、そんな音で俺は目を覚ました。


ふっ飛ばされて終わったはずの人生が、1日がまた動き出す。

3月に仕事やめて、そこから現実から目を逸らしていろいろあれやってみたいこれやってみたいって挑戦してみた結果、お金が底を尽きそうになり、定職がある安定感は他にも代えがたい心の支えやったんやなと気づきました。税金の計算すっかり忘れててどっかり持っていかれたからヒーヒー言ってるバカです。


日雇い派遣の力仕事で身体が終わってるんですけど、一刻も早く安心して趣味にお金を費やして世に出したいものを遠慮なく作ることのできる、そんな環境を手に入れたいと思っております。


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