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第52話 戦火のヴェラーノ

ヴェラーノ市場の中心で対峙するリクとエドワード。


「さぁ、影の王を名乗るなら、それに相応しい戦いを見せてみろよ。」


エドワードは自信満々に剣を構え、背後の私兵たちが一斉に包囲の態勢を取る。


「貴族の力が何なのか、ここで分からせてやる。」


リクは短剣を握りしめ、影狼とゴルムに指示を出す。


「奴らの指揮を乱す。影狼、後方に回って混乱を作れ。ゴルム、俺と正面突破だ!」


影狼が素早く路地裏に消え、ゴルムが低い唸り声を上げながら前に出る。


「行くぞ!」


私兵たちが一斉に剣を抜き、突進してくる。しかし、リクの影が動く。


「影の刃——!」


リクの影が実体を持ち、敵の剣を弾き返した。その隙にゴルムが前進し、敵を薙ぎ倒す。


「チッ、影の力をここまで使いこなすとはな……!」


エドワードが歯噛みしながら剣を振るう。しかし、リクはすでに彼の間合いを読んでいた。


「お前の攻撃パターン、まだ変わってねぇな。」


リクはエドワードの剣を影の力で避け、カウンターで短剣を振るう。


「クソッ!」


エドワードはすんでのところで後退し、部下たちを盾にする。


「貴族派閥のやり方は相変わらずだな……都合が悪くなると部下を盾にするか?」


「うるさい!」


エドワードは苛立ちながらも、指を鳴らした。


「援軍を呼べ! 奴を囲め!」


遠くの通りから、新たな私兵が集まりつつある。戦いは長期戦になりそうだった。


しかし、その時——


「よぉ、随分と楽しそうなことしてんじゃねぇか。」


どこからか聞こえてきた豪快な声。


「バルド……!」


金ぴかのマントを翻しながら、商人ギルドの長バルド・ロエルが現れた。


「市場の支配権を巡って勝手にドンパチやってくれるのはいいが、俺の商売の邪魔をするのは気に食わねぇ。」


バルドが指を鳴らすと、商人ギルドの傭兵たちが通りに集結し、私兵たちを牽制する。


「……この状況、五分五分ってところか。」


リクは短剣を構え直し、影狼が背後で準備を整える。


「なら決着をつけるぞ、エドワード!」

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