第51話 影の教団の陰謀
市場での暗殺者との戦闘は熾烈を極めた。影の教団の刺客たちは、人間離れした俊敏さでリクたちを翻弄しつつも、リクの影の力を試すように攻撃を繰り返していた。
「お前たちは、一体何を狙ってる?」
リクが短剣を振り払いながら問いかけると、刺客の一人が不気味な笑みを浮かべた。
「影の王よ。我らは、お前が真の王として目覚める瞬間を待っているのだ。」
「……目覚める?」
リクの眉がぴくりと動く。
「お前たちの勝手な信仰のために、俺を巻き込むな!」
その言葉に、刺客は嗤いながら刃を振るう。しかし、その瞬間——
「影狼、右側を制圧しろ!」
影狼が素早く駆け出し、敵の懐へと飛び込んだ。ゴルムも影の刃を放ち、相手の動きを封じる。
「影の力は……お前だけのものではない!」
リクが影に溶け込むように動き、刺客の背後を取る。
ザシュッ!
一瞬のうちに短剣を突き刺し、敵は黒い霧のように崩れ落ちた。
「……これで片がついたか?」
ライザが警戒しながらあたりを見渡す。しかし、バルドが渋い顔をしながら言った。
「いや、まだ終わっちゃいねぇ。貴族派閥が動くぞ。」
その言葉と同時に、市場の入り口から豪奢な衣装を纏った貴族たちが姿を現した。中央に立つのは、リクの宿敵——エドワードだった。
「やれやれ、お前がここまでやるとは思わなかったよ、リク。」
「……何のつもりだ?」
「単純なことさ。この市場の混乱を収めるために、影の王には消えてもらう。」
エドワードが手を挙げると、貴族派閥の私兵が一斉に武器を構えた。
「この街を支配するのは、貴族であるべきなんだよ。」
リクは短剣を握りしめ、影狼とゴルムが低く唸る。
「……そう簡単にはいかねぇよ。」




