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第48話 市場の影と経済戦争

リクはヴェラーノの中央市場を歩きながら、思わずため息をついた。


「俺が政治をやる? それも市場の管理? 冗談じゃねぇ……。」


昨日のバルドと魔族代表ラグザの話を聞いた結果、どうやらこの街の経済問題にも関わる必要が出てきたらしい。しかも、エドワードが背後で何か企んでいることも明らかだった。


「リク、どうするつもりだ?」


ライザが横で短剣を弄びながら聞いてくる。彼女の視線は、市場のあちこちで異常な値動きを見せる商人たちを追っていた。


「……まずは市場の状況を知る必要がある。」


リクは、いつものように影狼とゴルムを連れて市場を歩き回った。


物価の異常な変動


市場を回ると、すぐに異常な点が見えてきた。


・パンの価格が昨日の倍以上になっている

・魔族の商人が持ち込む香辛料が一切流通していない

・金属や武具の価格が異様に高騰している


「どういうことだ……?」


リクは眉をひそめながら、商人ギルドの関係者に話を聞くことにした。市場の中で比較的中立の立場にいる商人が集まる酒場《金の杯》へ足を運ぶ。


「へぇ……影の王が市場に興味を持つとはな。」


酒場の奥に座っていたのは、商人ギルドの幹部の一人、フェルマーだった。彼はくすんだ銀の指輪を弄びながら、リクを見つめた。


「この異常な値上がり、お前なら何か知ってるんじゃないか?」


リクが単刀直入に問いかけると、フェルマーは肩をすくめた。


「そりゃまぁ、知ってるさ。最近、この市場の裏で《投機商》が暗躍してるって話は聞いてる。彼らが市場を支配し、特定の商品を買い占めて、値段を釣り上げてるんだ。」


「投機商……? それを操ってるのは誰だ?」


フェルマーは酒を一口飲み、口角を上げた。


「さぁな。ただ、一つ確かなのは……貴族派閥の一部がその動きを支援してるってことだ。」


リクは拳を握りしめた。


「つまり、市民を困らせることで俺の信用を落とすつもりか。」


「ご名答。」


フェルマーは気楽に笑う。


「だからどうする? 影の王さんよ。市場を混乱させて利益を得ようとする奴らを、どうやって潰す?」


リクは静かに考え込んだ。


「……手を打つ。俺なりのやり方でな。」


フェルマーは興味深そうに笑った。


「おもしれぇな。それなら協力してやろうか?」


リクは彼の目をじっと見つめた。


「お前が裏切らなければな。」


こうして、リクは市場の支配を巡る経済戦争に本格的に巻き込まれていくのだった。

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