第43話 影の審判
影の騎士がリクを睨みつける。その瞳には、ただの敵意ではなく、何かを確かめるような意志が宿っていた。
「貴様が王の器であるか、試させてもらう。」
その言葉とともに、騎士は剣を振るい、漆黒の刃が音もなくリクを襲った。リクは即座に身を翻し、影狼とゴルムが敵の死角へと回り込む。
「くるぞ……!」
ライザが短剣を構え、騎士の動きを牽制するが、その斬撃は速く重い。影狼が素早く飛びかかり、ゴルムが影の刃を放つも、騎士はそれを容易く弾き飛ばした。
「……簡単には倒れそうにないな。」
リクは短剣を握りしめ、騎士の動きを見極める。
──影は影を統べる。
頭の中に響いたその言葉と同時に、リクの影が異様に蠢き出した。
「こいつ、俺の影に……?」
騎士は不意に剣を下ろし、静かに問いかける。
「汝、影の契約を受け入れるか?」
リクは息を呑んだ。影の契約──それは、影の力を完全に受け入れ、影に支配される道でもある。
「……契約を結んだら、どうなる?」
「影を完全に操ることができる。しかし、影に飲まれる危険もある。」
沈黙が続く。
「選べ。貴様は王の器にふさわしいのか。」
リクは影狼とゴルムを見た。彼らの目には、彼を信じる決意が宿っていた。
リクはゆっくりと呼吸を整え、目の前の騎士を見据えた。
「……俺は影を支配する側になる。」
その瞬間、影の騎士が微かに微笑み、剣を振り下ろした。
戦いは、最終局面へと突入する──。




