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第24話 金ぴか男との再会

リクはヴェラーノの街へと戻ってきた。影狼とゴルムが静かに彼の後ろを歩き、彼の足取りはどこか重たかった。任務は成功したものの、頭の片隅には山賊たちの組織的な動き、そしてライザとの出会いが残響のように残っていた。


ギルドの薄暗い一室、そこに豪華な装備の男――通称『金ぴか』が待っていた。金色に輝く鎧と装飾品が目を引くその男は、リクの姿を見るや、ほんの一瞬だけ眉を上げた。


「ほう、無事に戻ったか。それは……予想外だったな。」


その言葉にリクは眉をひそめた。


「俺が死ぬことを期待してたのか?」


金ぴかは口元に薄い笑みを浮かべ、肩をすくめた。


「いや、期待というよりは、可能性の一つとして考えていただけさ。だが、予想外の結果は嫌いじゃない。」


リクは金ぴかの視線をじっと見返した。その奥には単なる商人やギルドの幹部以上のものが隠されているように感じた。


「お前、何者だ?」


金ぴかは立ち上がり、窓の外に視線を向けながら静かに答えた。


「名乗るほどの者じゃない。ただ、この街で少しばかり『力』を持っているだけだ。」


リクは無言で立ち尽くしたが、金ぴかの背中に隠された意図を読み取ろうとした。そのとき、金ぴかがふと振り返り、低い声で続けた。


「山賊たちの動き……不自然だったろう?」


リクはその問いに僅かにうなずいた。


「ああ、連中はただの無法者じゃなかった。組織的で、まるで『誰か』の命令で動いていたようだった。」


金ぴかは静かに頷き、デスクの引き出しから一枚の地図を取り出してテーブルに広げた。地図にはいくつかの赤い印がつけられていた。


「これが最近の交易路襲撃の記録だ。奇妙だろう? 全て同じ手口で、同じようなパターンで襲撃されている。」


リクは地図をじっと見つめた。明らかに意図的な配置で、まるで何かを囲い込むような形になっていた。


「これは……何かを探しているのか?」


金ぴかは微笑を深めた。


「さすがだな、リク。そう、彼らは『あるもの』を探している。そのために交易路を混乱させ、情報を隠しているのさ。」


「『あるもの』ってなんだ?」


金ぴかはしばらく黙った後、ゆっくりと答えた。


「それは……『古の遺産』と呼ばれるものだ。この地に眠る、かつて世界を変えた力。その存在を知る者は少ないが、それを狙う勢力が動き出している。」


リクは心の奥で何かがざわめくのを感じた。その『古の遺産』が、自分の過去や魔物使いとしての力に関わっているのではないかと直感した。


「俺がこれに関わる理由は?」


金ぴかはリクを見据えた。


「お前はただの駒じゃない。お前の力、その魔物たち、そしてお前自身の存在が……この街、いや、この世界のバランスを揺るがす鍵になるかもしれない。」


リクは短剣を腰に戻し、影狼とゴルムを見やった。


「だったら、俺は俺のやり方で進む。お前の駒になる気はない。」


金ぴかは再び笑った。


「それでいい。お前がどう動くか……見届けさせてもらうさ。」


その言葉を背に、リクは部屋を後にした。外の空気は冷たく、夜の帳が静かに街を包み込んでいた。


「古の遺産……そして、この街の影。」


リクは空を見上げ、深い息を吐いた。

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