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第20話 交易の試練

豪華な装備の男から課された任務を受け、リクは指定された商隊に合流するため、街の南口へと向かっていた。商隊の出発準備は整っており、リクが到着するや否や、監督役の壮年の男が彼を鋭い目で値踏みするように見た。


「お前が追加の護衛か?」


リクは頷きながら、控えめに自己紹介をした。


「リクだ。短剣と仲間を連れている。」


「仲間?」


監督役がリクの背後を見ると、影狼が鋭い目を光らせて低く唸り、ゴルムがその存在感を巧みに利用して大きく見えるような仕草をしていた。その演出が功を奏したのか、監督役は「少しは使えそうだな」と独り言のように言った。


商隊が街を出てしばらくすると、周囲の雰囲気が徐々に変わり始めた。草木の隙間から見え隠れする影、そしてかすかな物音がリクの耳に届く。


「嫌な予感がするな……。」


リクが影狼に指示を出すと、影狼は静かに低い姿勢になり、鋭い嗅覚で周囲を探り始めた。一方、ゴルムは後方で控え、商隊全体を守る位置に留まる。


「来るぞ!」


突如として矢が飛び交い、待ち伏せしていた山賊たちが草むらから現れた。リクは短剣を構え、咄嗟に影狼に命じた。


「左側を頼む!」


影狼は俊敏に駆け出し、一人の山賊に飛びかかった。その鋭い爪が相手の武器を弾き飛ばし、リクがとどめを刺す隙を作り出した。


しかし、山賊たちは予想以上に組織的だった。矢の雨が商隊の荷車を襲い、偽の交易品が入った箱が狙われているのがわかった。


「くそ、これは罠だ……!」


リクが叫ぶ間もなく、山賊の一団が突撃してきた。リクは必死で短剣を振るい、影狼も応戦していたが、数の差が圧倒的だった。


「影狼、後退だ!」


リクの叫びに従い、影狼がリクのそばに戻る。しかし、その直後、後方からさらに別の一団が現れた。


「挟み撃ちか……!」


ゴルムが後方の敵を威嚇しながら進路を塞ぐが、圧倒的な数に押されて後退を余儀なくされる。商隊の護衛たちも奮闘しているが、混乱の中で次々と倒されていく。


「リク、何とかしてくれ! 商隊が全滅する!」


監督役の叫びが響く中、リクは咄嗟に周囲を見渡し、影狼に指示を出した。


「右側の敵を引きつけてくれ! ゴルム、お前は中央を守れ!」


影狼が低く唸りながら敵の注意を引きつけ、ゴルムがその巨体を活かして荷車を守ろうとする。しかし、攻撃の激しさが増す中、リクも限界に近づいていた。


「このままじゃ持たない……!」


リクは短剣を構え直し、戦局を打開する方法を必死に考えた。その時、商隊の護衛の一人が叫ぶ。


「交易品が奪われる! 奴ら、あの箱を狙ってるぞ!」


「やはり、あれが目的か……!」


リクは短剣を握りしめ、山賊の中でも指揮を執っているような男に目をつけた。


「指揮官を潰せば……!」


リクは影狼とゴルムに指示を送りながら、自分は敵の隙を突いて指揮官に近づこうとする。しかし、その動きを読んでいたかのように、別の敵がリクの進路を塞ぐ。


「甘く見るなよ……!」


リクは短剣を振り、必死で敵の攻撃をかわしながら前進するが、追い詰められていく。影狼とゴルムも限界が近い。


「ここで終わるわけにはいかない!」


リクの心に強い決意が芽生えた。その目に宿る光が、次の一手を導き出すきっかけになることを彼はまだ知らなかった。



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