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第19話 豪華な装備の男の誘い

取引の手がかりを得たリクだったが、黒いマントの男と豪華な装備を身にまとった若い男、どちらの誘いに乗るべきか迷っていた。黒いマントの男は不気味さがあり、何かを隠しているようだった。一方、豪華な装備の男は表向きには自信に満ち、彼が動かす力は明らかに大きい。


リクはしばらく考えた後、豪華な装備の男の誘いに応じることにした。


「ここは少し賭けてみるか。」


ゴルムと影狼に目配せをしながら、指定された場所へと向かった。


指定された住所は、ヴェラーノの外れにある古びた倉庫だった。リクが倉庫の入り口に近づくと、装飾の入った鎧を身にまとった若い男が笑みを浮かべて待っていた。


「来たか。案外、腹が据わっているじゃないか。」


リクは冷静に頷きつつ、周囲の状況を素早く観察した。倉庫の入り口には二人の護衛が立っており、内部からは低い声が漏れてくる。男たちの動きは整然としており、リクは警戒を強めた。


「中で話すのか?」


「その通りだ。ただし、ここで話をする以上、お前も何かを差し出してもらう必要がある。」


倉庫の中は薄暗く、中央に設けられたテーブルを囲むように数人の男たちが座っていた。その視線がリクに集中すると、彼は自然と影狼を自分の足元に呼び寄せた。ゴルムは背後に控えており、その体を少し大きく見せるように立ち回っている。


「さて、何ができるか見せてもらおうか。」


豪華な装備の男が静かに言った。その声には冷たい自信が満ちている。


リクは短剣を軽く回しながら、テーブルに近づいた。


「俺は交易に関する情報を得たいだけだ。それに価値があるかどうかは、お前たち次第だろう。」


その言葉に、テーブルの端に座っていた中年の男が低く笑った。


「ずいぶん弱気な冒険者だな。だが、この場にいるというだけで何かしらの自信があるのだろう?」


リクは目を細めたが、冷静さを崩さなかった。


「自信なんてものは後でいい。今必要なのは取引が成立するかどうかだ。」


その言葉に男たちの何人かが顔を見合わせた。豪華な装備の男はテーブルの上に紙を広げ、指先でいくつかの場所を示した。


「この街で動くための情報が欲しいと言ったな。それならば、一つ条件がある。」


「条件?」


「次の交易品を運ぶ商隊を守ることだ。ただし、その商隊には偽の品も含まれている。本物と偽物を見分け、敵の動きを読めるか、それを試す。」


リクはその条件を聞きながら、何か裏があると感じた。だが、ここで断ればチャンスを失う。


「面白い。だが、俺が成功した場合の報酬は?」


豪華な装備の男は微笑んだ。


「この街での信用だ。それがどれほどの価値か、ここで生きる者なら分かるはずだ。」


リクはその答えに納得するふりをしながらも、心の中では警戒を緩めなかった。


影狼とゴルムの役割


影狼は低い唸り声を上げ、リクの隣で威圧感を放っていた。その存在は交渉相手たちの注意を引きつけており、ゴルムが背後で控えている間にリクが冷静に策を練る時間を稼いでいた。


「いいだろう。取引は成立だ。」


リクは短剣をテーブルに軽く置き、交渉の意志を示した。


「その代わり、偽の品に関するヒントは必要だ。さもなければ、単なる運試しになる。」


豪華な装備の男は少しの間黙ったが、やがて笑みを浮かべた。


「いいだろう。ヒントはこれだ。本物の品には小さな刻印がある。だが、それを見極めるためには、注意深く観察する目が必要だ。」


リクはその言葉を聞きながら、内心ではさらなる裏切りの可能性を計算していた。


「分かった。その試練、受けて立つ。」


取引は成立し、リクは新たな任務を背負うことになった。この交易の陰謀がさらなる試練と策略を生むことを、彼はまだ知らなかった。



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