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【EP.6】斧と風邪と明日のハムスター
4日目は比較的遅め、昼過ぎ程の起床になった。
ふらつく感覚と微熱。
のちに異世界風邪と名付けたそれは、今後永遠と俺を苦しめる難題となった。
『寒い!ただただ寒い!』
悪寒の様な寒さ。
実際には風邪によるものなのだが、毛布や包まる物が無いので焚き火で誤魔化すしかない。
出来るとこは食べて寝る事だけだが、タイミング悪くメールが届く。
「斧をお届け〜⭐︎近くに落ちるようにしといたよ!受け取ってね!」
いや〜、新しいおもちゃとか買った日は寝ずに遊び倒すの物だよな!
風邪とか知らん!
付近を探して見つけた箱を開けて、斧を取り出し、近くの木に力一杯振る。
一回、また一回。
『・・・いや、別に楽しくは無いよな』
おもちゃ買うのとは別義というか、遊びで買ったわけじゃ無いから楽しくともなんとも無い。
熱を急に感じる様になる。
斧が届いた事による幸せホルモン的な何かが抜け落ちて、自身が体調不良だった事を思い出すかの様に一気に動けなくなる。
・・・うん、大人しく寝ます。
『明日はもっと良い日になるよね!ハ◯太郎!』
【異世界生活4日目】
体調不良により記録無し。