【EP.3】ハードモードでスタート
神様相手には文句タラタラだったが、実の所は異世界に憧れていた手前かなりワクワクしていた。
そんな異世界生活初日の完走した感想は。
『設定ハードにした覚え無いんだけど?!』
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ここが異世界だと実感する出来事は奇しくも移転後すぐにやってくる。
ドラゴンに丸焼きにされた。
『・・・おい駄女神!?リスポーン地点間違ってねぇか!?』
移転後、降り立った場所は木々が生い茂る森。
歩いて30分、やっと森を抜けて平野に出たらドラゴンに燃やされて復活すると森の中に戻されてる。
ならば逆方向だと走って30分。
また平地が見えてドラゴンに焼かれる。
右へ行って平地が見えてドラゴンに焼かれる。
左へ行って平地が見えてドラゴンに焼かれる。
そしてものの見事に全て違うドラゴン。
『ほう?要するにここは平地の真ん中にある森林なわけだ!』
・・・詰んでね?
何処に向かってもドラゴンを倒せないとここに戻ってくるので森から出るのは一旦諦めて、使ってなかったもう一つのスキルに希望を託す。
『マーケット!』
宙に浮かぶウィンドウ画面。
そこには元の世界で見慣れた、インターネット通販の画面が表示される。
残金は2万円。
多分コンビニの帰りで残ってたお金がそのまま所持扱いになってるとかか?
「買う」の他に「売る」もある。
適当にそこらの枝を売ってみても金になったのでなんでも売れる様だが、枝1本で0.1円って安すぎないか?
とりあえず飯と水を買う。
それと斧とライター。
最低限ドラゴンなりを撒けるくらいの物が手に入るまではこの森での生活だ。
これくらいは買っておこう。
買った物は飯と水だけ届いた。
は?斧とライターは来ないが?
運営の方?システムバグってますよ?
そんな事を思っていたら通知音的な音がして表示される新たなウィンドウ。
「メール」が届いてます。
ナニコレ?
元の世界の人と連絡取れるの?
淡い期待を胸にウィンドウをタップして落胆する、ってかより一層自称神に殺意が湧く。
「あ!ごめん言い忘れてた!買い物は実際に配送の物が届くまで待ってね?佐川◯便とかヤマ◯運輸とかに一度送ってもらってからだから!」
「追記!優しい神様な僕はご飯と飲み物くらいは用意しといたよ!感謝してねー⭐︎じゃ頑張って⭐︎」
殺意には天井が無いことをこの日初めて知った。
ふて寝します。ほな。
【異世界生活1日目】
スキル数 2
手持ち金 15000.1円
死亡回数 4回