06 相談
「こんにちは、アマツさん、イオタさん」
こんにちは、アランさん、リリシアさん。
本当に凄かったです、今の打ち合い。
「うん、負けちゃったけどね」
いや、俺が言うのもなんだけど、ちょっと引くくらい気合い入ってましたよね。
「この場所に来たということは、アマツさんも鍛錬をご所望、ですか」
いえいえ、リリシアさん、今日はお話しだけです。
でも、もしかしておふたり、毎日これほどの激しい鍛錬を?
「アランのやる気が続いている間は、妻として全力で支えたいと思う」
凄いですね、これも夫婦の絆、ですか。
「うん、まあそんな感じで」
「悪いけど話しの前に、先に汗を流してくるね」
はい、その間少しだけ闘技場をお借りしますね。
「「ごゆっくり」」
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……うへぇ、降参。
ごめんね、イオちゃん。
あんな凄いの見た後だと、俺なんかの相手だと物足りないでしょ。
「いえ、夫がハアハアしながら頑張っている姿、嫁冥利に尽きます」
えーと、その弄ばれてる感、ちょっと悪くないかも。
ってか、本当弱いね、俺。
「いや、頑張ってると思うよ」
「だってアマツさん、召喚者のみんなが持ってるステータス特典、全然無いんだよね」
お疲れさまでした、アランさん。
えーと、俺がこの状態でコッチに来ちゃったのは、俺自身の選択なんで後悔はしてないです。
ただ、こんな俺でもコッチの世界でなんかやれないかなって、
それで今日は先輩のお話しを聞きに来まして。
「まあ確かに召喚者としては先輩かも知れないけど、同い歳だし、もっとフランクな感じでありたいよね」
はい、じゃあそんな感じで。
で、アランさん的には、コッチでの暮らしって、どんな感じなんです?
「それじゃ、あっちで一服しながら話そうか」