03 無双
今の我が家の収入源は、俺とイオちゃんの冒険者としての稼ぎ。
まあご存知の通り、本当はイオちゃん無双に俺がぶら下がってるだけですが。
なんせ無敵のカンスト娘なんで、やろうと思えば最高難度クエストも余裕でクリアしちゃえるんだろうけど、
一度でもそんなのやらかして強さバレしちゃったら、今の呑気生活が出来なくなるだろなって、
俺がくっついて行ける程度の難易度のやつで稼いでるわけなんですよ。
えーと、もしかして結構役に立ってるんじゃね、俺のカモフラージュ効果。
ギリースーツに引っ付いてるフサフサの内の一本くらいには。
ナナさんには基本、家のことをお任せしちゃってます。
ただ、おしとやかな見た目と違って結構ヤンチャなお姉さんなので、このまま家に縛り付けるのもどうかなって。
ナナさんの方こそ、やりたいことがあったら遠慮無く、ですよ。
「女の子の憧れの職業ナンバーワンになれたんですもの、このまま家でお嫁さんしているのも、もちろん幸せですよ」
「でも、イオちゃんみたいにカッコ良く夫を支える妻っていうのも素敵ですよね」
……本当にヤンチャなんですね。
じゃあ、ギルド職員復帰、ですか。
「うーん、せっかくだから冒険者復帰、しちゃおうかな」
おっと、3人パーティーで大冒険、ですか。
「たまにで良いので、私も連れ出してくださいね」
了解です、パーティー名は『両手に華』かな。
「『ヒモヒモ無双』にしましょう」
ひどいよ、イオちゃん……