16 報酬
ってな感じで、依頼完了。
ペンネッタのギルドに行ったら、メネルカの方で完了手続きしてくれてたみたいです。
まあ、依頼主不詳っていう、いかにもヤバげなヤツだったんで、
サリアさんも無事を喜んでくれましたよ。
やっぱり乙女は心配顔より笑顔の方がいいよね。
俺が吸魔虫駆除士になったことはギルドでも把握してるみたいだね。
さすがにメネルカ魔導国の依頼だったってことはバレてないみたいだけど。
もちろんこの件は、うちの家族3人だけの秘密ってことで。
「アマツさんのお嫁さんしてると、いっぱい秘密が増えちゃいますね」
はい、家族だからってことで、これからもよろしくね、ナナさん。
「隣のアレは、家族候補?」
アレってなんすか、イオちゃん。
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いつの間にやら、うちの隣にある空き地に、ちっちゃなテントが。
で、住んでるのが、アレ。
「なんで私が監視任務……」
はい、これからよろしくね、メリシェラちゃん。
「ちゃん付けすんなっ」
「歳上を敬えっ」
うーん、どうかな。
歳上ムーブしたかったら、せめてナナさんくらいのボリュームがなくっちゃね。
「あんたキライッ」
はいはい、メリシェラちゃんルートの目は速攻で潰しましたよっと。
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家族で相談して、報酬はメネルカのアクセサリーにすることに。
なんか、めっちゃ精巧な魔導合金細工の、すっげぇキレイなイヤリングとかあるんだって。
例によってメネルカ絡みなので、あの国の外にはほとんど出回らないんだそうで。
で、メリシェラちゃんにカタログを頼んで、嫁ふたりの分と、追加でもうひとつ。
もちろん、メリシェラちゃんじゃなくて、サリアさんへのプレゼントですってば。
今回の件で心配させちゃったからね。
「やっぱりサリアさんルート……」
違いますって、イオちゃん。
これがオトナの気遣いってヤツですよ。
「でも、今回の件がメネルカ絡みだって、サリアさんにバレちゃう可能性」
あー、どうだろ。
サリアさんも、オトナの気遣いが出来る女性だと思いますよ。
「まあ、バレたらメネルカに行って……」
はい、ストップ。
大暴れする前に、ちゃんと夫に相談するのが賢い奥さまですよ、イオタさん。
ピンポーン
おや、お客さまですね、どれどれ。