11 部屋
はい、ギルドで依頼を受けました。
心配してくれたサリアさん、ありがとね。
その心配顔、ちょっとそそられちゃったのは、内緒。
で、待ち合わせの期日に、待ち合わせの場所へ。
こっちが完全にひとりであることが確認出来たら、迎えが来るはずなんだけど……
『振り向くな』
おっと、びっくり。
えーと、依頼を受けたアマツですけど。
『これから感覚遮断魔導具を使うから、ちょっとしゃがめ』
『抵抗するな』
了解、って、なんかかぶせられたら、お先真っ暗……
---
たぶん『転送』でどっかに連れてこられたんだろうけど、
なんも見えんどころか、なんも聞こえんし、
さっきの声のヒトの良い匂いの後はなんも匂わんし、
とりあえず早いとこ、この目隠し魔導具、取ってほしいよ。
『これから説明する、質問は受け付けない』
『その部屋にある物を、全て処理するまでは帰れない』
『処理方法は、それぞれの品の上に置いてある書き置きを参照』
『説明は以上、魔導具を外して、作業開始』
……なんだか高圧的だね。
ちょっとイラッとしちゃうよ。
ってか、感覚遮断魔導具なのに説明が聞こえちゃうのって変だよね。
まあ、さっさと終わらせて帰りましょ、こんなとこ。
はい、魔導具を外してっと。
---
窓無し、扉無しの、一面グレーの狭い部屋。
あー、あそこそっくりなんだよ、コッチの世界にくる前にイオちゃんがいた部屋。
って、まさか神様ちゃん絡みじゃないよね、この案件。
もしそうなら、神様ちゃんからイオちゃんに、なんか連絡来てただろうしさ。
ま、いいや、とっとと終わらせちゃいましょ。