世界の終わり
タバコをふかせばぼんやりとぼんやりと忘れられる。あたたかな血液が心臓を介して全身に伝わり
身体中に毒が回ってゆく。そんな感覚をただ一人めっきり寒くなった冬空に白煙を吐き出しながら味わっていた。あの日の大好きだったあの子に言われたことを思い出す。
僕は本気で恋をしていたんだと思う。
忘れたはずでも忘れていてもぼんやりとした夢の中で君はふと現れる。ただ毎日を繰り返して現実を生きてる僕にはその時がなんとも愛おしくて、引き戻された時あの楽しかった時はもう帰って来ないんだってことがはっきりとわかった。
何気ない日々の生活にこんなに恋焦がれるように
ただ普段の喧騒の中に身を預けたい。通勤時間のラッシュに身を任せて会社や仕事に向かいたいそう思った。
寒い夜の中を歩いていると、満月の月や夜空に広がる星が誰にも知られずただ瞬いていた。
こんなに星が綺麗なら誰かに送ろうなんて思ってもカメラに映らないのは当たり前で必ずあるもののはずなのにぼんやりと概念的にしか捉えることができないなんてことを考えた。
いくら美味しい缶詰を食べても何年も前のものだから体には悪くて、でも体に毒が回っていく感覚がなんとも心地よく塩分や科学的にうまいと感じさせられる化学調味料の味がどこか心地よかった。
オーガニックなんかじゃなくていい、誰かに造られた虚像を愛したいような気持ちだった。
日を増すごとにタールの量が増えていったように
心はかかえる闇を掻き消すように、寒さが体を鈍らせるように刻一刻と体は蝕まれていた。
最初はウィンストン、そのあとはラッキーストライク、そのあとはピースライト、そして今はハイライトただ寒空に有り合わせの燃料を突っ込んだライターの光だけが妙に心地よかった。最寄りのセブンイレブンはもうタバコの在庫なんてなくてただ意識を遠くに寄せてぼんやりと歩いていた。
もう何分歩いたんだろうか、最期は思い出の場所にしよう。そう思った僕はもう朝になった新都心の街を歩いていた。前までだったらこれくらいの時間なら渋い顔をしたサラリーマンや英単語帳を真剣に見る学生でごった返しているはずだが、今日は誰も何もいなかった。思い出のけやき広場はもうなくなっていた。正確にはその姿をとどめていなかったって言った方が正しいけど、僕にはあの日のあなたとの思い出が当たり前のように思い出させる。初めてキスをして、二人で遊んで手を繋いで寒かったらポッケに手を突っ込んで星を見て、今みたいに綺麗に星が見えるわけじゃなかったけど、今よりももっときれいな気がしてた。太陽が雲に隠れてそろそろだ、と僕は思った。大切にとっておいたジッポーで最期のタバコに日をつけた。金属の無骨な音が鳴り響く。周りからはうめき声と腐食臭がしていた。
僕はそんなものにも気に留めず最期のタバコを
味わった。ふぅと息を吐く。そしてあなたの言葉を思い出した。
一瞬君が目に浮かんだ気がした。
無情にも男の体は腐食した屍に食い荒らされ完全に息は途絶えていた。
彼は何を考えていたのかそれは彼にしかわからないだろう。人間というのは不思議だ。愛とかどうとか意味のないものを優先して男は自らを打ち捨てた。
最期には毒を味わった。つくづく理解ができない。
愚かでしかない。全く愚かだ。
色々矛盾がありますが目を瞑ってください。
ありもしない日々の生活に嫌気がさして何かsfを足したいなと考えました。
この世界はもうとっくにゾンビ災害によって終わっていてその中で最期とっくに食料も尽きた男の最期を想像した感じです。
最後に想像するのがあなたでありますように
なんて妙に綺麗な男の気持ちが入ってますが現実には男は自分自身の原因で災害なんかの前に別れているのでただ元カノを引きずるキモいやつです。現実にラブコメみたいな綺麗さなんてねぇ!
俺はそう思いますね。
とはいえ半分くらい俺の話なんですけどね