表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/7

初恋

 

 全く隠しきれていない、人の振りをしたこの女神は、ティアというらしい。



 あれからティアに、魔術の使い方を教えてもらっていた。


 女神なんかに教えられるのか?と疑問に思ってはいたが、意外にも教え方は上手かった。


 精霊の力を感じ、その力を借りて魔術を使う。

 それを繰り返し行う中で、薬を使う時にも、無意識に魔術を使っていたことにも気付いた。

 随分と精霊に助けられていたようだ。


 そして少しずつ精霊が見えるようになり、最後には会話も出来るようになった。


 その頃には、ティアと出会ってから3年が経っていた。




「ディーは本当に精霊に好かれているわね」


 出会った頃はそんなに変わらなかった表情も、最近は少し変わるようになっていた。

 今も精霊の懐かれ具合に苦笑している。


「……そろそろ精霊のお願いも叶えた訳だし、ここを出て行こうと思うの」


 窓から庭を眺めていて、ティアの表情は見えない。



「そのことなんだけど……

 ティア――僕はこの3年間で君と過ごす毎日が、楽しかったんだ

 君の突拍子もない言葉や、僅かに見せてくれるようになった表情をもっと見てみたい

いつまでも隣で見ていたいって思う

 女神であるティアからしたら、こんなちっぽけな人間て思うかもしれないが、ティアを好きな気持ちが止められない

 愛してるんだ」



「――!!

 ほ……んと……に?」


 俯いたままのティアのラピスラズリ色の髪をかき上げれば、顔を真っ赤にし、潤んだ瞳で見上げていた。


「わたしも、好きになってしまったの

 あなたとディーとこの先ずっと一緒にいたいって」


 ぽろぽろと涙を流しながら、2人は抱き合った。

 祝福するかのように、精霊は2人の周りを飛び、無駄にキラキラさせていた。


 これ以上はないくらいに幸せだった……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ