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ローシン王国首都ワシン


アルシンを出発する前夜

(マイク)

「オレとヤッケルも一緒に行かせてくれ!頼む」

(カイト)

「仕事はどうすんだよ。徴兵されてたんだろ⁉︎」

(マイク)

「仕事は辞めた。たぶん、大丈夫⁉︎」

(カイト)

「ダメだよ。辞めたらお前達はいいけど、家族に迷惑かけるんじゃないか?親や兄弟が牢屋に入れられるとか。それでもいいのか?」

(ヤッケル)

「家族が捕まる⁉︎やっぱりやめよう!」

(リュート)

「それがいい。それにお前達は兵士としてやってもらいたい事もある。もちろんお金は払うぞ。」

(マイク)

「なんだ?やってもらいたい事って⁉︎俺達はなんの力もないぞ。せいぜい門番がいい所だ。」

(カイト)

「門番が大事なんだよ。それにお前達も前みたいに平和で暮らしやすい国がいいだろ?自分達で自分の国を変えるんだ。その大事な役割を担っているからな。俺達についてきてもやる事はない。それよりも自分達のやれる事をやる方がいい。何をやるかは後で連絡する。」

(マイク)

「門番が大事なのか?よくわからんが、そのやる事がわかったら教えてくれよ⁉︎それと、孤独島に行くって言ってたよな⁉︎オレの母親があの島にいる。会ったらこの手紙を渡してくれよ。」

(カイト)

「わかった。必ず届けるよ。それと、お前達みたいにこの国をよく思ってない兵士達を探ってくれ。いいか⁉︎探るだけだぞ!そしてその情報はお前達の宿舎のベッドの下に置いておけば俺達が回収する。朝になっても手紙がそのままだったら破棄するようにな!」

(マイク)

「どうやって回収するのかわからんが、わかった。また会えるよな?」

(カイト)

「あぁ、必ず会える。その時はまた飲もうな」


別れを済ませ、次の日の早朝にワシンに向かって出発した。


(カー子)

「カイトよ。まさかと思うが、手紙の回収はワレがするのか?」

(リン)

「そうだね」

(カイト)

「あぁ、頼む!」

(カー子)

「いつも思うが、ワレらを使う時は事前に相談してくれ!いつもドキドキしてしまうわい!」

(カイト)

「わりいわりい!」

悪びれた様子もないカイトを従獣達は冷やかな眼を向けていた。


2日かけて首都ワシンに到着した。

ワシンの入り口では厳しい取り調べが行われ、俺達ラークは別々に牢屋にぶち込まれた。

地下の牢屋は日の光は届かず、石造りの床は湿っていて苔が鬱蒼と生い茂っていた。

他のメンバーがいる部屋は分からず、どんな取り調べが行われているかもわからない。そもそも何で牢屋に入れられているかもわからない。

(カイト)

「誰かいるか?」

薄暗い闇にカイトの声だけが響く。

(カー子)

「ここにおったか?カイトよ。今のところみんな元気じゃ!」

(カイト)

「おぅ、カー子か⁉︎現在の状況が知りたい。調べて来てくれ」

(カー子)

「そういうと思って調べて来た。お前さんがいるのは一番最下層の牢屋。一つ上にリュートがおった。シロが暴れそうだったからグレートウェイ王国に行ってもらったぞ。サイを通じて国際的に抗議してもらうよう頼んだ。アリスとリンとサーシャは王宮の客間にいる。ワシの憶測じゃが、ローシンの息子が3人の誰かに惚れとる。3人ともかも知れんが…」

(カイト)

「なるほどな。だとしたら危ないな。特にリンに手を出せば王宮は吹き飛ぶぞ。いや、3人ともか?無理やりって事はないよな?」

(カー子)

「わからん!ローシンは一人息子にご執心だ。あの愚息は世界は全て自分の物だと心から思っておる。何をしでかすかは読めんな。」

(カイト)

「もし俺の仲間に手を出したら革命とかどうでもいい。この国そのものを消してやるぞ!」

(カー子)

「サーシャも同じ事を言っておった。だから何があってもカイトは動かないように伝えてと言っておったぞ。」

(カイト)

「俺はそんなに気が長くないぞ。」

(カー子)

「とにかく今はまだ動くなとの事じゃ。ライとマグで交代で連絡をとりに来る。情報を集めて動ける段階になったら動く。」

(カイト)

「我慢出来る事と出来ない事がある。ブチギレる前に情報を集めてくれな⁉︎」

(カー子)

「わかった。また来る!」


(カイト)

(ローシンとか愚息とか、クズなら情けはいらないな。)

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