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光の勇者誕生


モーラ王国の国境の街マガイタ

ここは5年前からガイア帝国との戦争が勃発している激戦地

現国王で女性騎士のアフロディーナは歴代国王の中でも最強と謳われる光の騎士

手には聖剣グランナレンを持ち、左腕には聖盾マックナーフ、全身は黄金の鎧、兜は女神の加護が付与された額当てのみで、髪は金髪、瞳は青く聡明な印象を受ける切長な形をしている。その美しさは世界一と称される。指揮能力も高く、戦闘中でも戦況を判断して指示する事ができるため、ガイア帝国の軍団相手に一歩も引かない。

マガイタは大きな河と険しい山に囲まれた天然の要塞都市

ある日、険しい山を越えて1万の軍勢がマガイタの後方地域に侵攻した。前線で指揮していたアフロディーナは補給線をたたれるため窮地に陥る恐れがあった。誰もが険しい山を越えてくるとは思わない。しかし、2日前にわずか14歳になるアテナと呼ばれる少女は山から攻められると苦しくなると言っていた。その時は誰もが笑い飛ばし、子供の発想だと思っていた。それが現実となっていた。そして少女の予言通り前線が苦しくなる事は明白だった。

アフロディーナはアテナを探したが近くにいる気配はない。

上空から光の矢が飛んできた。矢尻に手紙が括り付けている。

手紙には後方の軍勢を僅か50人で倒すため、前線では気兼ねなく闘ってくれとある。無理だ。一万の軍勢に50人とは無謀というよりは自殺行為だ。しかしアテナからの手紙である事を考えれば倒すのだろう。前線を維持すればいいのか。

アフロディーナは補給線の事はアテナに任せて前線の戦況を維持した。


遡る事5年前

戦争が勃発したマガイタで当時9歳のアテナは暮らしていた。アテナの両親はA級冒険者として名を馳せていた。父は神速の稲妻と言われ、母は太陽の灼熱と言われていた。アテナには兄が2人、姉が1人、妹が1人いる。兄弟は全員光属性でその中でもアテナは才能に溢れていた。

戦争が勃発し、両親と兄2人は戦争に駆り出された。姉のヘイローズはアテナと妹のコノハをよく面倒見ていた。戦況が思わしくなく、ある日ガイア帝国の軍団が街に侵攻してきて無差別に人を殺していった。アテナが暮らす住宅にも兵士が侵入してきて、ヘイローズは妹達の目の前で犯され、最後に殺された。コノハを地下室に隠し、アテナは下半身を露出させた兵士に犯された。殺されると思い、その恐怖が身体を支配した。兵士に覆い被され、目の前が闇に堕ちかけた時、もう一人の自分が兵士の首元をかき切った。身体が兵士の血で赤く染まっていく。もう一人の自分は綺麗なままだった。そこに新たな兵士が侵入してきた。全身を血で赤くなった少女に兵士は覆い被さるように襲ってきた。その瞬間、もう一人の自分が兵士の心臓を貫いた。その剣先は赤く染まった自分の胸も貫いていた。

アテナは汚れていない自分を創り出し、赤く染まった自分を殺した。

コノハを迎えに行き、2人は戦争から逃れるように街の中を彷徨い、ある時、第2軍団長だったアフロディーナに保護された。教会が運営する養護施設に引き取られたアテナとコノハは心に傷は負ったものの互いに助け合って生きた。

それからアテナは近くの山に一人で行って修行に励んだ。自分の中にいる赤いもう一人と闘い、戦闘技術を磨いた。それが光魔法で創り出した分身とは知らずに。

戦闘技術が飛躍的に上がったアテナは山の中腹にある洞窟で岩の隙間から光が溢れている場所を発見し、掘り起こすと身の丈程の黄金に輝く剣を発見した。刀身は細く、柄は掴みやすい大きさで、柄を掴むと剣は身体の中に吸い込まれて消えた。

自分の分身との闘いをしていたある日、赤い自分が少しずつ透明になって行き、自分の意思でいつでももう一人の全く同じ分身を創り出せるようになった。その時は分身も黄金の剣を携えて。

3年の月日で分身は10体まで創り出せるようになり、それぞれが意思を持って行動する事が可能となった。成長にあわせて剣もちょうどいい大きさになり、それぞれが両手に帯刀できるようになった。

魔法も分身それぞれが光の速さで動けるまでになり、それぞれが光の魔素を圧縮して放つライトニングと掌に魔素を集め相手の身体に直接叩き込むライトホールドを使えるようになっていた。普通の人にはその動きは見えず、眩い光の残像が辛うじて見える程度

アテナは妹や養護施設で出会った仲間と共に修行に励み、戦闘能力を伸ばしていく。いつしか仲間はどんどん増えて50人のパーティになり、チーム名を「ゴッドナックル(神の拳)」と名付けた。

アフロディーナはアテナの戦闘能力が高い事はなんとなく分かっていたが、直接闘う所は見ていない。ゴッドナックルの噂を聞く程度だった。


5年後の現在

山の中腹でガイア帝国の一万の軍勢を静かに眺めながらアテナは作戦を仲間に伝えた。

仲間への伝達方法は光魔法で声を直接伝える方法らしい。

一万の軍勢は道が狭い事からかなりの距離を一列で進んでいる。先頭を行く敵の指揮官らしき人物がいる軍勢を土魔法使いが土砂を降らし、軍を分断させる。約500人ぐらいが土砂に埋まる。その次を進む軍勢には火魔法使いが火炎を浴びせる。その後ろには草魔法使いが植物で次々に拘束していく。一番後ろの軍勢には雷魔法使いが落雷を浴びせる。

風魔法使いは突風を発生させ、崖に落として行く。

それぞれの魔法使いはアテナに指示されたように持ち場の軍勢に効果的な攻撃を浴びせ、その数をどんどん減らして行く。崖に落ちた敵は闇魔法で存在自体を消された。

あっという間に敵の軍勢は数を減らし、残りは60人程までになった。険しい山をやっと越えた敵はアテナの姿に油断した。少女だからだ。各々が顔をニヤつかせた瞬間首は宙を舞い、死んだ事すら理解出来ずに死に絶えた。

アテナ達の初陣は誰一人欠ける事なく敵を殲滅した。国境付近で戦闘しているアフロディーナ国王に成果報告の為、光の矢を上空に飛ばし、ゴッドナックルのメンバーは街に引き返した。

一方のアフロディーナ国王率いるモーラ王国軍は防御戦を強いられていたがなんとか退ける事に成功した。多数の犠牲者が発生したが士気は高い。負傷者達は治療所に詰めかけ戦後の処理が大変な状態だった。

マガイタではゴッドナックルの活躍に祝杯を上げ、つかの間の賑わいとなった。

アテナは光の勇者と称えられ、コノハは闇の勇者、火の勇者や土の勇者などその仲間達は全員勇者の称号を与えられた。中には性欲の勇者や絶倫の勇者という不名誉の者もいたのは内緒だ。

アフロディーナはアテナに感謝し、後日勲章を与える提案をしたがアテナは断った。

アテナが所属する神の拳はS級ランクに昇格し、主要な幹部達もS級に昇格した。

モーラ王国とガイア帝国の戦争は長期化し、少しずつ互いの国力が低下していった。

いつも応援ありがとうございます♪

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