プリランス戦争(2)
早朝に鉱山に向けて出発した。
サイクロードは国境の橋の最前線で戦うらしい。
かなり鍛えたため大丈夫だと信じたい。
今回の戦いではカー子やシロ、マグにライは過剰戦力のため不参加にしてもらった。
不参加が不満らしくブーブー言っていたが無視だ。
開戦は後1週間後らしい。
それまでに鉱山を抜け宿営地付近まで行かないといけない。早過ぎてもダメだし遅れる事は許されない。
敵との遭遇に警戒しながら進む。
しばらく進んだ所に敵の警戒員なのか偵察隊なのかわからないが、4人の気配を感じる。
迷宮で寝てしまった時に手に入れたオレンジ色の花、眠り草を魔素で操作し成長した時の強烈な匂いを発散させる。
4人はあっという間に眠りについた。
近づきリンの精神操作で任務を聞き出す。
左右の鉱山に偵察隊が派遣されており、敵の兆候があれば宿営地に報告するらしい。
この子達はリンの奴隷として働いてもらおう。
1人を解放して嘘の報告をさせるため先導させた。
残りはこちらの味方として警戒に当たってもらう事にした。
日が沈みかけてきたため、洞窟内に簡易的にテントを張る。進む距離としては順調だ。
警戒は交代でする事にし、食事の準備だ。
今日はサーシャの番でとても楽しみだ。
俺は警戒のため外に出る。
捜索魔法がどこまで届くのか試したい。
大地や樹々に魔素を流し、自然界の魔素も混ぜ合わせて捜索範囲を拡げていく。
目の前の山を越えたところに人の気配がある。
ここには8人が警戒に当たっているようだ。
隘路になっているところには軍隊の先遣隊が駐屯している。規模は200人の騎馬隊のようだ。
反対側の山には届かない。どうやら周囲30Kmが限界ぐらいか。遠くまで捜索出来る様になったな。
体内の魔素が無くならないように放出した魔素を回収した。
ちょうど食事の準備も終わりみんなで食事した。
(カイト)
「この先に8人の警戒員がいる。ちょうど20Km先ぐらいか。隘路には先遣隊が200人ぐらい。明日は30Km進む予定だ。」
(リュート)
「その先遣隊は叩くのか?」
(カイト)
「そのままだ。先遣隊には順調に進んでもらう。ほとんどが正騎兵だ。その後は奴隷兵が約3つの悌隊に分かれて進軍すると思う。皇帝はおそらくその次の悌隊にいるだろう。周囲には少なくとも1万程の聖騎兵、魔法兵がいる事を想定して行動する。」
(リュート)
「昨日の話では皇帝は最前線にいるんだろう?」
(カイト)
「まぁな!普通なら指揮するのに良い位置にいるけど、ドロンス皇帝は最前線で戦う人だと言ってたからな。わからんけど、宿営地を襲った後は皇帝の拘束もしないといけないから、急いで引き返す事になる。中間ぐらいに居てくれれば早く拘束できるかなぁと思って!」
(アリス)
「周囲には1万もいるのか?拘束出来なくないか?」
(カイト)
「聖騎兵だから重たい鎧に盾と槍を装備していると思う。だから動きは遅いし武器を取り上げれば何とかなる。試しに俺に斬りかかってよ!」
(サーシャ)
「あれをやるのね!」
(カイトとサーシャ除く全員)
「あぁあれね!」
(カイト)
「ん?」
(サーシャ)
「腕輪の事みんなに教えちゃった!」
カイトが落ち込むなか、みんなで楽しく盛り上がった。
日が昇り行軍を開始した。
山を越えたところで敵の警戒員を発見
逃げられないようにアリスを後ろに配置して素早く無力化する。
皇帝の居場所を聞き出そうとするが、知らないらしい。8人ともこちらの味方になるから助けて欲しいと懇願してきた。8人にはこのまま残ってもらい、異常がない事を常に報告してもらう事にした。
俺達は一週間かけて宿営地の近くに進んだ。
宿営地にいる兵士達はお酒を飲んだり踊ったりとかなりくつろいでいる。緊張感はない。
見張りなどの警戒にあたる人もいないようだ。
食糧庫になっているテントは大きく目立つ。
宿営地にいる兵士達の武器は剣を腰に下げていて他の大きな武器らしき物は1箇所にしまっているようだ。
1人の兵士が近づいてきた。
(兵士)
「こちらにいましたか⁉︎私は以前王国の首都で貴方に助けて頂いた奴隷兵です。家族にも会う事ができました。ありがとうございます。この命いつでも捨てる事ができます。貴方の作戦通り、こちらの兵士は寝返り工作が完了しています。命令があれば監視役の正規兵200人を拘束できます。ここにいる奴隷兵は全部で2万です。前線への物資輸送は3日の遅れが生じています。いつでも命令を!」
(カイト)
「よかったよ。ありがとう。でも、死ぬ事は許さないよ。もう一度家族に会う事を命令する。いいな!宿営地にいる奴隷兵の解放は今日の昼ちょうどだ。上空に大きな火の鳥が見えたら合図だ。みんなに伝達してくれ。自分達だけでできるか?」
(兵士)
「できますよ。貴方はどこかに行かれるのですか?」
(カイト)
「俺達は皇帝を捕まえに行く。戦争が長期化して犠牲者が増える前に捕まえて終わらせる予定だ。」
(兵士)
「わかりました。それでは失礼します。」
兵士は何事もなかったかのように飲んだくれ集団の中に消えて行った。
(カイト)
「アリス!マグを借りていいか?」
(マグ)
「昼に空を飛べばいいんでしょ!全身火を纏って!」
(カイト)
「そうだ。俺達は先に引き返す。マグは昼になったら飛んで合流してくれ!」
(リュート)
「オレ達はここに来る必要あったか?」
(カイト)
「寝返り工作が上手くいってなかったら戦闘になってた。結果的に上手くいってたから無駄っちゃー無駄だったな!ハッハッ」
こうして俺達は引き返し、皇帝を拘束するために動き出した。魔法で強化して移動速度を上げて移動した。
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