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辺境の地を平定


ウェットに到着すると出迎えのため、侯爵、子爵、辺境伯の順に並んでいた。


侯爵「お待ちしておりました。私はウェストのファザコン侯爵です。そしてこちらが私の推薦により子爵を承認されたマザコンです。この地域はグリーン王国との貿易の要点でして、経済が安定しております。暮らす我が民も幸せです。治安も良いですし…」


ここで同行していたマセキトが話す。


マセキト「おい!陛下の許しもなく話し始めるとはどうゆう了見だ。しかも我が民だと⁉︎」


サイ「よせ!マセキト!この者は辺境の地にて世間知らずだ。それよりもそこの御仁は?」


辺境伯「初めて御目にかかります。私は先代王より辺境伯を賜りましたタランティーノと申します。皇太子陛下様に御目にかかれて至極光栄に御座います。」


侯爵「世間知らずとはそちらの方だ。この地は王国の管理ではない。私が統治している。私の軍がいるからこそグリーン王国と上手く付き合っておるのだ。お前はまだ子供だから知らんのだろう。大人の世界にはお前はまだ早い。」


カイト「侯爵様の統治下であられて王国の統治下ではないとおっしゃるのですか?」


侯爵「貴様は誰だ?平民如きがワレに話しかけるでない!不敬で処刑するぞ!」


サイ「私が子供で政治はまだ早いと。これはすみません。いい勉強になりました。こちらの方が質問した事を繰り返しますが、ここは侯爵の統治下であって王国の統治下ではないと聞こえたのですが?」


侯爵「その通りだ。ここは我が領土。お前らの指図は受けん!」


サイ「そうですか。なるほど。だから奴隷も扱っていると噂がありましたが、王国のルールは通じないとおっしゃるのですね?」


侯爵「ど、奴隷は扱っておらん。ただの噂であろう?」


サイ「子爵のところで奴隷を売り買いしていると噂がありましたが?」


侯爵「マザコン!扱っておらんよな!」


子爵「当然でございます。そんな事をしたら爵位は剥奪と一家全員の処刑になってしまいます。」


サイ「噂ではこの地で商人が売り買いし、その売り上げの一部を子爵に献上していると聞きましたが、そうですよね、そんなはずはないですよね。」


子爵「そ…そうですよ…この地に奴隷はいませんよ」


サイ「奴隷がもしいたらどうする?」


子爵「そんなことがあればその売り買いしている商人を処刑しますよ。そうですよね?侯爵様!」


侯爵「当然だ!ワシは知らんがそのチャイとお前は繋がっておらんだろう?ワシとの繋がりもちゃんと消してあるよな?」


カイト(コイツはマジでザルだな!自分で証明しているようなもんだな…)

侯爵のアホっぷりに子爵は顔から血の気がなくなっていく。

その時、街中から喧騒が響く


サイ「何事だ?」

サイの一言にみんなで様子を見に行く。

そこには暴れる奴隷達と叱りつけるチャイ商会のチャイがいた。


チャイ「あぁ!侯爵様!子爵様!申し訳ありません。突然奴隷達が暴れてしまいまして…」


サイ「そこの君は奴隷商なのかい?」


チャイ「はい。私はグリーン王国を拠点に活動してるチャイと申します。こちらで侯爵様と子爵様のご厚意で奴隷を仕入れております。本日は子爵様より仕入れた奴隷をグリーン王国に連れて行く予定が、突然暴れ出してしまいまして!」


子爵「おい!私は奴隷なんぞ知らんぞ!この街で奴隷を売り買いしてるとは初耳だ!処刑してやる!」


顔から大粒の汗をかきながらマザコン子爵は剣を振り上げる。

チャイの首元のところで皇太子は帯刀した剣で受け止める。


サイ「皆のもの!全員取り押さえろ!チャイとやら、死にたくなければ素直に質問に答えよ!」


チャイ「ひー!……なんなりと…」

サイ「マザコン子爵よ!お前はこの者とは懇意の仲だな!その者がここで奴隷を売り買いしてるとは知らんと言ったな!まことか?」


子爵「はい。私は奴隷なんぞ知りません。」

サイ「チャイよ。子爵はこう申しておるぞ。」

チャイ「酷いですよ。子爵様!奴隷の売り買いの見返りに売り上げの半分も納めているのに。それに子爵様に逆らう者達を奴隷にと無理矢理売り飛ばしといて。侯爵様助けてください。」

侯爵「ワシは関わりないだろう。」

チャイ「侯爵様まで!酷い。」

サイ「私はこの国の王子サイクロードだ。今の話に偽りはないな!」

チャイ「はい。私は侯爵様と子爵様に奴隷の売り上げの半分を納めています。帳簿もあります。」

サイ「その帳簿を提出せよ。ファザコンとマザコンは爵位剥奪、一族郎党まとめて捕らえよ!ウェットとウェストは辺境伯が治めよ!チャイは証人として首都にて裁きを受けよ!後はマセキトに任せる!」

マセキト「御意のままに」

こうしてグリーン王国側の都市は辺境伯が治める事になり、奴隷達は解放された。中には警備隊として働きたいと申し出る者達もいた。

ファザコンの保有していた軍は辺境伯がそのまま引き継いだ。

辺境伯「カイト、落ち着いたらまた顔を見せてくれるか?」

カイト「そうですねぇ、戦争が近いんで、それが終わった後ぐらいでしたら、仲間も連れて来ます。」

辺境伯「楽しみに待っておるぞ」

サイ御一行と俺は元侯爵、子爵を連れて首都へ向かった。道中は当然修行しながらだ。

プリランス帝国との軍事衝突も近づいて来ている。

サイは帝国との戦争には最前線に立ち戦うという。

首都に到着して元侯爵達を引き渡し、俺とサイは護衛の8人とメイドのダリアを連れて旅立つ準備に入る。騎士団はすでにシュバイツに展開しているそうだ。

現地に到着したら団長のマルクスに会うように言われた。


戦争という事は敵味方関係なく死人が出る。仲間達を守る為気合いを入れるカイトであった。

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