盗賊団の討伐⁇
盗賊団の討伐に出かける。
首都を西に向かって進むと大きな河があり、対岸までを結ぶ大きな吊り橋がある。
とても大きく幅が広いため全然揺れない。馬車は同時に4台は通れるだろう。
橋を越えてしばらく進むと大きな山のセントラルグレート鉱山が見えてくる。この辺りで日が暮れるため野営する。
次の日も西に進む。鉱山の麓まで来ると北ルートと南ルートの別れ道。この辺りで野営する。
次の日は北ルートを通る。森が見えてきて入り口で野営する。
次の日からは森の中だ。
森の中を進むと視線を感じる。どうやら見張っているようだ。
しばらく進み、野営の準備を始める。
監視役は報告のために離脱したらしい。
すぐに少し移動する。
おそらく野営地を取り囲むように配置するであろう場所に落とし穴を作っておく。落ちた穴に痺れ矢を仕込んで。
他にも罠を張っておく。念には念を入れて。
落とし穴の蓋は俺の魔素を流し込んでいるため、開閉は自由自在だ。
多くの気配が近づく。
周りを取り囲みいつでも攻撃できる体勢を整えている時、1人の体格の良い顔に傷のある男がやってきた。
マーヌル「邪魔するぜ!オレはマーヌル!この一帯を仕切っている頭領だ。2人で何をやっている?」
カイト「俺はカイト!この国で冒険者をやっている。今は2人で野営の準備をしている。」
マーヌル「ほぅ⁉︎冒険者か⁉︎野営の準備は見ればわかる。こんな森の奥まで何しに来たのか聞いている」
カイト「聞いた話ではこの森の何処かに盗賊団がいると聞いてな!しかもその頭は強いらしい。俺はその頭と話がしたくて来たんだ」
マーヌル「なるほど、討伐ではなく話がしたいと、それでその女は献上品か?」
カイト「この女性はサーシャ!世界で一番大切な存在だ。指一本でも触れたら例えお前でも容赦しない」
そう言って殺気を向ける!
周りを囲む数名はそれだけで意識を手放した。
マーヌルは背中に汗が流れ落ちるのがわかるほどの冷汗をかいた。
マーヌル「そんな殺気が出せるとは只者じゃねぇな!」
カイト「俺はなるべく穏便に話がしたいんだ。周りを取り囲み待機している他の36人が死んでもいいならかかってこいよ。まぁその後アジトの女性や子供達も殺すけどな!」
マーヌル「索敵範囲も広いな!悪かった!こちらも穏便に済ませたい。だがな、オレはオレより弱いヤツの下につく気はねぇぞ!勝負しろ!」
カイト「ハァ〜、わかってねぇな!まぁいい。勝負はしてやるよ、後でな!今は少し話をしよう!」
マーヌル「そうかい!おい!オメェら!警戒を解いてアジトに戻ってろ!」
カイト「わかってくれてうれしいよ!ありがとう!」
マーヌル「で、話ってのはなんだ」
2人は向かい合う形で用意した椅子に座る。サーシャは紅茶を差し出した後俺の横に座った。
カイト「なんで盗賊なんてやってるのか教えてくれ?」
マーヌル「なんでって、オレはここからグリーン王国に向かって行った先のウェットという街の出身だ。オレは見ての通り小さい時から体格が良くてな!喧嘩ばかりしてたよ。慕ってくれるヤツらも多くてな。ゴロツキばかりだがな!そんな時そこの貴族に目をつけられてな!オレの女リンダを無理矢理屋敷に拉致って犯してた。オレは仲間と一緒に屋敷に乗り込んでリンダを助けに行ったよ。貴族の護衛は皆殺しにして屋敷は壊せるだけ壊した。その後は貴族に逆らった不敬罪だかで追われる身さ。この森は身を隠すにはもってこいだ。オレたちの前に陣を張ってた盗賊をぶっ殺してそのアジトをそのまま貰ったのよ。あたまいいだろ。」
カイト「どの辺が不敬罪なんだ?俺には当たり前の事をしただけにしか思えないけど」
マーヌル「さぁな。オレにはわかんねぇけどよ、ウェットからは討伐隊が来るからいつも返り討ちにしてやってるよ。たまに街からオレたちに差し入れしてくれるヤツらもいるから食うには困らねえ。酒が欲しいが贅沢は言ってられねぇ。」
カイト「酒が欲しいか?」
マーヌル「あるのか?」
そう言って俺はラガーを取り出しグラスに注ぐ。
カイト「ほら、毒は入ってない。うまいかどうかは知らん」
マーヌル「しかし、オレだけ飲むのはアイツらに悪い。遠慮しとくよ!」
カイト「まだ沢山ある。必要ならお前の仲間にもやるよ」
マーヌル「話のわかるヤツだ!じゃ遠慮なく」
マーヌルは一気に飲み干した。
マーヌル「かー!うめぇ〜 もう一杯くれ」
しばらく酒を飲むマーヌルを見て思う。
(こいつは一本気な漢だ。仲間にも会ってみたいな)
カイト「話はだいたいわかった。一つ気になったが、リンダは元気なのか?」
マーヌル「犯された女は立ち直るのが難しい。時間がかかるだろうけど、オレの女だ。必ず立ち直る。それにアジトには犯された女が沢山いる。子供もな。オレにはアイツらを守ってやる使命があんだよ!」
カイト「わかった。じゃ闘うか!」
マーヌル「いや!オレはお前の下につく。お前は他の冒険者とは格が違う!人間としての格がな!オレの本能が告げてる。お前には絶対逆らうなと」
ここでサーシャが入ってくる。
サーシャ「私達をアジトに連れてって。今日はみんなで宴会よ!私達の仲間になった歓迎会だね!」
マーヌル「なめるなよ!お前達が持ってきた酒なんてあっという間になくなるぞ。」
サーシャ「大丈夫だよ!沢山あるから。ね!カイト!」
あるにはあるがどれだけ飲むのかわからない…
テントをたたみ、罠を解除する。
マーヌル「こんなに罠を仕掛けてたのか?こりゃやらなくて正解だったな!」
カイト「そうだな!戦闘技術に関しては俺より強い奴はいるが、戦略、戦術も組み合わせて闘うなら俺より強い奴はいないだろうな!自称だけど」
そんな雑談をしながらアジトに向かう。
森の中の道路は曲がりくねっていて通りにくいし死角が多い。馬車はスピードを出せず、歩いた方が速そうだ。木を切り倒して道を作るにしても大変な労力が必要だ。
アジトの場所を確認すると地下に作った洞窟のようなところに身を寄せ合って暮らしている。
狭いし、衛生環境が良くない。
外に宴会ができるぐらいの広場を作る。作ると言っても木に移動してもらうだけだが。
お酒の樽を取り出し宴会が始まる。
みんなはすごく楽しそうにお酒を飲んでいた。
サーシャはリンダと何やら話をしていた。
俺は森の中の道路を整備する。
約4日はかかると言われる道を真っ直ぐにする。
邪魔な木には左右に移動してもらい、地面には石を敷き詰める。これで移動は2日に短縮されただろう。
ちょうど中間にあたる場所に新しい拠点を作る。
自然の樹々を絡ませ住居に使えるようにする。
準備ができたところでアジトに戻り宴会に合流した。
翌朝、マーヌル達を連れて新たな拠点を披露する。
それぞれ好きな所に住めるとあってみんな喜んでいた。急いで入る者、しばらく吟味してから選ぶ者、残りものを選ぶ者など様々だ。
この森の中の街をマーヌルシティと名付けた。
そしてマーヌル警備隊が発足した。
俺とサーシャはマーヌルの汚名を晴すため、ウェットまで進む。マーヌルには首都の冒険者ギルドに出頭してもらい、警備隊の手続きをしてもらう。帰りはオッソから馬車を貰って大量の食糧とお酒を準備してもらうように手紙を書いた。
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