怪しい人影
ブロンズマロの街を歩いていると、前を歩く全身黒尽くめの衣装に身を包む怪しい女がいた。
その女は一瞬後ろを振り返り、こちらと目が合うと路地裏方向に曲がって行った。
俺は尾行し、他は迂回して退路を断つ。
路地裏に入るとその女はまた後ろを振り返り、歩く速度を上げる。怪しいというよりはクロだ。まぁ、着ているのもクロだ。
カイト「よう!ねぇ〜ちゃん!どこに行くんだ?」
どこのナンパだっていうぐらいで声をかける。
「…」
カイト「聞こえないのか?そこのネェちゃん!」
「…」
カイト「そこの髪の黒い綺麗なお姉さん⁉︎貴方の事ですよ!」
女性「私ですか?何かご用でしょうか?」
(キレイに反応したのか?お姉さん?よくわかんねぇ〜、とりあえず口撃してみるか)
カイト「すみません!お名前は?」
「サーシャ・マイノ・ペテルギウス子爵です!ガイア帝国のナッシテウから来ました。」
カイト「ガイア?俺はカイト、ここで何してるんだ?」
サーシャ「私はガイアのやり方に反対して国を追われ、プリランス帝国に取り入ろうとして、まぁ〜なんだかんだで、グレートウェイ王国に亡命しようとしています。」
カイト「よくそんなペラペラ喋るなぁ〜ホントかどうかを判断できないなぁ」
サーシャ「私は大事な誰も知らない情報を持っている。だから私を傷つける事はできないぞ」
カイト「誰も知らない情報ってなんだよ?」
サーシャ「それはなぁ、実はビキンスにいる…
カイト「…」
サーシャ「危なっ!お前聞き出すのうまいな⁉︎危うく話してしまう所だった。」
カイト「それで、ビキンスの続き」
サーシャ「あぁ、ビキンスの続きだったな。ビキンスにいるナーフ侯爵は、実はプリランス帝国と関わりがあるって話だ!あー、おい!いいか!誰にも言うなよ!私から聞いたと言わないでくれよ」
カイト「それで」
サーシャ「それだけだ!どうだ!すごい情報を持っているだろう。」
カイト「うそだ…ろ…… … …もうお前に用はないな」
サーシャ「待て!実はもう一つある。」
カイト「いや、いい。もうようはない。」
横柄な態度から一転、猫背になり拝み出した。
サーシャ「待って!聞いて⁉︎実は、プリランス帝国の王妃は知ってる?その王妃の依頼でこの国の王女テンメを暗殺して欲しいと言われて前金50万を受け取った。他にも雇われた人がいる。どう?すごい情報でしょ?」
カイト「なら、お前には死んでもらおうか」
サーシャ「ちょっとなんでそうなるの」
カイト「暗殺者なのだろう⁉︎なら仕事をする前にお前を殺せば王女は助かる。簡単だ」
サーシャ「あぁ〜なるほど〜!私はお金だけ貰ってトンズラするの。だから私を殺しちゃダメ。いい?」
カイト「信用できん!死ね!」
サーシャ「どうすれば信用してくれるの?死にたくないんだけど!」
カイト「他にも雇われた人がいると言ってたな。全員の情報は持ってるのか?」
サーシャ「持ってない…ホントに知らないの!でも王妃からの依頼は確かなの。これが証拠!」
そう言って半洋紙に書かれた文章を読む。
殺せ!でなければお前が死ぬ
王妃
と書かれている。
なんの証拠にもならない…
やはりこの子は頭が少し弱いようだ。
周りを囲んでいたみんなに出てくるように言って、サーシャを連れて宿に向かう。
サーシャの武器は弓と宝玉がついた杖だった。
当然武器は押収する。
カイト「改めて聞くけど、暗殺の仕事なんだよな?という事は監視もついているんじゃないのか?」
サーシャ「それは大丈夫!途中でまいたから!2人いたけど、わたしこう見えて結構強いんだよ。それに頭もいいからまくのは簡単」
リン「具体的にどうやってまいたの?」
サーシャ「シュバイツの冒険者ギルドの中で他の冒険者に暗殺の話をしてさぁ、そしたら監視の人が近付いてきたから、あの人たちだよって指差したら冒険者の人達頑張って追いかけてる隙にこっちに来たの。」
カイト「まぁ、なんにせよお前は信用できん。これからしばらく俺達と行動をともにしてもらう。いいな」
サーシャ「いいけど、エッチな事はやめて!わたしの初めては好きな人にって思ってるから。」
カイト「するか!」
こうして変な天然娘と旅する事になった。まぁ…カー子とシロもいるから万一にも逃げられる事はない。
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