グラント公爵
グラント公爵家に招かれた俺達は応接室で待つ。
グラント公爵は体調が悪いという話だったが…
杖をつき、フラフラした足取りでやって来たのは、50代後半の顔色が蒼白で今にも倒れそうな老人だった。
とりあえず治療が必要だと判断した俺は、許可を得て診断した。
心臓の動きが弱い。筋肉も稼働していない箇所がある。魔素を体内に巡らし原因を調べる。
今まで多くの回復士が治療を行ったが良くならないらしい。
原因は毒だった。ナーガの毒によく似ている。
本来は抗体を作るがそんな時間はない。
魔素を操作し、体内の毒を口に集める。公爵を屈ませ吐き出せる体勢にする。
しばらくすると大量の毒を吐き出させることに成功した。毒を排除し、水に塩分を含ませた飲み物を飲ませる。更に魔素操作に水魔法を組み合わせ、ゆっくりと体内に水分を吸収させていく。
心臓の動きが良くなり、血色も良くなった。
後は食事をとって療養すれば良くなる。
グラント「助かった。気分も良い。ホントにありがとう」
カイト「いえいえ、元気になられてよかったです。」
グラント「それにこの度のスタンピート、お前さん方がいなかったらどうなっていたことやら!何か褒美をやろう!何が欲しい?」
カイト「我々は報酬はいりません。代わりにお願いがあります。」
グラント「お願いとな⁉︎なんじゃ?」
カイト「ここには銅の迷宮があります。年に一度、迷宮攻略大会を開催されてはいかがでしょう?冒険者達による時間制限付きの迷宮攻略です。1番下まで行った人の勝ち、単独でもパーティーを組んでも良し。優勝者には賞金を与えます。そうすれば迷宮内の魔素も溜まりにくく、冒険者同士の強さも上がる。更にお祭りで賑やかになり、商業者ギルドのお店も出店させます。冒険者の参加料と商業者のお店の出店料を貰えば公爵家の収入にもなります。更に、冒険者が集まるので街の武器屋や宿屋なども収入が増えますよ。」
グラント「おぬしは天才か?」
カイト「あと、公爵様にメリットがもう一つあります。」
グラント「なんじゃ!まだあるのか?」
カイト「はい。大会という事は迷宮内に審判を送らないといけませんよね?じゃないと正しく判定できませんから!という事は公爵様お抱えの兵士が1番下まで行ってないといけないので、必然的に強い冒険者を兵士として雇い、常に身辺を警護して、大会の時は迷宮内に潜って審判をする。どうです?」
グラント「なるほどのぅ…よう考えられた事じゃ!」
カイト「まぁやるやらないは公爵様が決めてください。それと御子息の事はお悔み申し上げます。元気になられたのでお世継ぎを!」
グラント「こやつめ。まぁいろいろありがとう。」
カイト「あっ!そうだ!褒美はギルドにあげてはどうです?冒険者の人達も頑張ってくれましたので。俺達の分も上乗せで!これから何かと冒険者ギルドにお世話になると思いますから!公爵様のお抱え兵士の増強にもなるので、よろしくお願いします。」
グラント「そうするよ。また困ったことがあったら相談に乗ってくれ」
ニッコリ笑った後に頷き、公爵家を後にした。
ここからシュバイツまで近い。暗殺者が潜伏しているか、すでに移動して首都に向かっているか。
どちらにしてもこの街を通るだろう。
2日程ここに滞在して情報を集める事にした。
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