公爵家の復活
首都グレートに向けて出発した。
マッカロニで一泊し首都に到着した。
王宮の入り口にいる兵士に用件を伝え、冒険者ギルドで返事を待つ。
冒険者ギルドではビキンスの話で持ちきりだった。
首都に伝わる話はこうだ。
建国の王の1番槍を務めしオースティン
名家を襲う卑劣なる冥界の使い
ビキンスの民に降りかかる悪魔の所業
神より使し勇者により悪魔を成敗
フリーキーなる勇者はオースティン
(フリーキーが勇者と…おぉ…なるほど…良いな)
しばらく情報収集していると王からの使いは俺のとこまで来てすぐに来いとの事
王宮の入り口でサイが出迎えてくれた。
サイ「お久しぶりです。師匠!じゃなかった!カイト君、父が会いますからこちらへ」
サイに案内され謁見の間へ通される。
謁見の間には政治を管理する政務官達と警備を担任する騎士が並ぶ。
中央の椅子に座って国王を待っていると王妃とメイドが入室し、陛下臨場の合図とともに国王が入ってきた。
王妃は美しく三十代前半ぐらいの若さを保っていてシンプルな白いドレスを身に纏っている。
国王は王冠こそ立派だが、優しそうな目で細っそりしている。王冠がなければ良いおじいちゃんって感じだ。
国王「なんでも急な要件があるとの事じゃ、申してみよ」
カイト「発言の許しをいただき至極恐縮でございます。」
国王「堅苦しい言い方はせんで良い。いつもの調子で良いぞ。」
カイト「わかりました。ビキンスでの一件について報告させていただきます。…」
ビキンスでの事を詳細に説明した。
そしてプリランス帝国の陰謀についても説明した。
国王「なんだと…ワシの子らはあやつらに…」
カイト「しかしながら、サイクロード皇太子様は御存命です。他も生きていると考えた方がよろしいかと。それにビキンスの立て直しが急務。幸いな事にオースティン家の次男フリーキー公爵様がおられます。ビキンスの街を立て直し、グレートウォールの警備も公爵様の管轄にすれば王国としても騎士団を首都に置けて警備上も問題ないかと。それと、申し上げ難いのですが」
国王「良い!申せ。」
カイト「今の軍事のやり方を変えないと貴族の力ばかり大きくなり、国家として一枚岩にならないかと」
国王「どうゆう事だ?」
カイト「貴族の実質的な力は侯爵が大きい。兵士も沢山雇っていて、国家として動く時に侯爵の支援がないと成り立たないと思います。そこで、国家の軍団として首都に騎士団と侯爵達が保有する軍隊を置きます。侯爵からは軍隊長を1人選出、各軍隊長による闘技大会を実施し、優勝した人を軍団長として全ての軍隊を動かす権限与えます。軍団長が暴走しないように騎士団から選出した人の下に軍団長を置き、それぞれの承認はすべて王の名の下に。」
国王「しかし、それでは侯爵以下貴族の警備はどうする?」
カイト「それは冒険者ギルドを通して契約により警備を雇ってもらいます。2、3年すると意識に変化がでるでしょう。将来的に貴族は軍隊の保有禁止にし、税は所得に応じて払う事、これは国民全員ですが、納められた税で国家直轄の軍団を運営、国民の生活向上の為や子供達の教育に使うなど」
政務官の一人マセキトが割って入る。
「軍事面はなんとかなるとして財政面が心配です。」
カイト「確かに今は経済的に上手くいってないでしょう。ブロンズマロのグレント公爵家のご子息の件もフラン王妃の差し金と睨んでおります。ブリオデンムでは農作物に被害が出ていて、これも何かしらの関係があると、今はまだ確証はありませんが。ブリオデンムの農作物に改善を施し、小麦の生産量は少し減りますが一定の安定供給が可能となり、牧畜により牛肉、乳製品の供給が可能で、更に果樹園での果実、果実酒の供給で経済の立て直しが可能かと。今カイルに酒造工場を建設中で隣のクラフトで大麦とホップを育てています。これで経済的に今までよりも発展すると思います。また、プリランス帝国への騎士団派遣の中止、経済援助の停止をすることを進言いたします。」
国王「しかし、帝国への援助を止めるにはそれなりの理由が必要だ。」
国王の発言にマセキトが言う。
「外交問題に発展いたします。」
カイト「条約違反にならないように、こちらの派遣と同規模の援助を求めてはいかがでしょうか?」
国王「それではあやつらの軍隊がこの国に大勢くる事になるではないか?」
「それは相手も同じでは?こちらの送る騎士団にはなるべく戦闘の前線に出ないこととできればマルサイに駐留、そうすれば相手の喉元に常に剣を向けているようなものです。それと、自由に行動できる冒険者を雇い、帝国内を探らせる事もいいかと、今は何より情報が必要です」
…
国王「わかった。マセキト!帝国との外交は其方に任せる。国内の経済立て直しはルーブル!其方が担任せよ。フリーキー公爵殿は正式に承認し、ビキンス及びグレートウォールの管理を担任させよう。カイルとクラフトの件も併せてな。マルクス団長!その方はカイト殿が申した軍隊の編成を担任せよ。冒険者の方はカイト殿に一任する。」
「ははぁ〜」
こうして国王との謁見が終わり帰ろうとすると王と王妃に残るよう言われた。
国王「サイクロードを救ってもらってお礼がまだじゃった。ありがとう…ホントにありがとう…」
王妃「私達は自分の子供が大事なの。あなたが言った他の子も生きていると…希望が持てました。ありがとうね」
国王「ワシらができることはなんでもやる。遠慮なく言ってくれ!」
はぁ〜…
カイト「だからダメなんだよ。なんでもやるとは言っちゃダメだろ。じゃ、俺が王になるって言ったらその座をくれるのか?」
国王「あぁ…やる!」
カイト「待て待て!そうじゃなくって、子供を人質にされようが、王妃が犯されようが、首に剣を突き立てられようが王としてやっちゃいけないことがあるだろ⁉︎」
国王「子を守るのが親だ。妻の辱めは許さん。剣を突き立てられ殺されようが構わん!」
カイト「はぁ…噛み合わんな。俺が言いたいのはだな、王たるものは国民を第一に考えねばならない、それが例え子を失う事になってもだ。つまり、国民の幸せのためには自分の不幸はすべて飲み込まなきゃならないって事だ。だから御子息は自分で自分を守れる強さが必要だし、国民の生活を知らなきゃならないし、善と悪を正しく理解する勉強も必要だ。子を愛し、妻を愛する事は間違っちゃいない。だがそれは王冠を外してやれ!弱さを見せれば他の国が絡んでくる。戦闘後に女性がどんな仕打ちに合うか知ってるか?」
事細かに女性達がどんな仕打ちに耐えているか話す。
カイト「皇太子様の他に王女たちが3人いるでしょ!娘が野蛮な奴らに入れ替わり立ち替わり犯されるのを見てられるか?誰の子かわからない子を産ませるのか?俺が見てきた世界はそんな事が許される世界だ。せめてこの王国内ではそんな人をなくしたいと思ってる。」
黙って聞いていた王妃は涙を浮かべていた。
言いたい事を言って王宮を後にした。
首都の冒険者ギルドに立ち寄り、ギルドマスターに事の詳細を話し、偵察隊を編成してくれる事になった。そこにはS級[漆黒の弾丸]のメンバーもいた。
小さな火種は各地で確実に大きくなっていた…
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