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寄り道(2)


カイトの部屋に集合し今後について話し合う。

西に向かえば金の迷宮

南に向かえば銅の迷宮


当初の予定は銅の迷宮ブロンズマロ

ここから近いのは金の首都グレート


みんなの意見は首都グレートらしい


どちらの迷宮もまだ攻略の証を提出した人はいない。なんでも、銅の迷宮を攻略するとSS級、銀と金はSSS級に昇級するらしい。つまり、まだ未攻略という事はSS級冒険者はいない事になる。


俺は銅の迷宮から行きたい。

楽しみは後にとっておくタイプだ。


いろいろ議論を重ね、アリスとリュートは金

俺とリンは銅の意見となった。多数決と言っても同数だ。カー子が私も仲間だと発言したため行先は銅の迷宮ブロンズマロに決定した。

マッカロニからブロンズマロまでは馬車で6日

3日までは途中の村や町に泊まれるが4日目と5日目は野宿という事になる。野宿がイヤで宿屋での行程だと2日延びて8日もかかる。

そこでも意見は分かれたが、アリスの意見が通り、8日の行程となった。

まぁのんびり余裕ある行動の方が楽しいだろう


移動から3日目の夜、ブリオデンムという町に泊まる。ここは山の麓で明日から険しい峠道だ。山は魔物の出没が多く、峠は盗賊が蔓延っているらしい。そして今いるブリオデンムには国王の三男で王位継承権第4位のサイクロード・グレート公爵殿が立ち寄っているらしく、町全体が緊張し空気が張り詰めている感じだ。

グレート公爵一行はサイクロード氏に側近3名、お付きのメイド5名、王国直轄騎士団から精鋭部隊10名、護衛A級冒険者5組23名、馬車が8台の大所帯だ。

町の人にサイクロード公爵殿の話を聞く限りでは、お付きの人ばかり話をして本人はあまり話をしていないらしい。そして今回の行先はブロンズマロを統治しているダネンカヒ・グレント公爵殿のお見舞いらしい。最近は体調が悪く、起き上がる事も辛そうな状態だそうだ。グレント公爵家はグレート公爵の親戚にあたる公爵家で王国の財政面を支える重要な地位らしい。ダネンカヒ殿の子息はすべて事故で亡くなっており、万が一が起きた場合はこの銅の迷宮を狙い、プリランス帝国との争いに発展する可能性があるそうだ。

プリランス帝国とグレートウェイ王国とは不可侵条約を結んでおり、経済と軍事面でお互いを支援する同盟関係にある。が、最近はガイア帝国との緊張が高まっており、6コ騎士団派遣と財政支援として34億ウェイを支出したらしい。そのせいなのか王国内の経済は逼迫している。


俺達はグレート公爵一行が出発する前に移動するか出発してからしばらく時間を開けて移動するか相談した。

急ぐわけではないので1日開けて出発する事にした。


翌日グレート公爵一行が出発したため、1日ブリオデンムを観光した。

マサルとアリスは武器屋、装具屋、魔道具屋を行ったり来たりして過ごした。

リュートとナナはイチャイチャしながらデート

リンとオッソは図書館で1日過ごした。

俺は1人で教会に行き、神父さんと話をしたり、ギルドで他の冒険者と話をしたり、農園を経営している人と話をしたりと時間を使った。

特に農園では楽しかった。

行った農園はとても広く、小麦畑と果樹園が見渡す限り広がっている感じだった。

そしてその果樹園が問題だった。果実は実らず、花も咲かないことが1年前から続いているそうだ。俺はこの農園の人が困ってる。そして草属性の俺にしか解決できないのではという使命感に溢れた。

果樹園に連れて行ってもらい木に魔素を送り原因を探った。

原因は地面の養分がなく木々が栄養不足になっていた。当然花を咲かせる事も出来ず受粉しないため果実が実らない。

地面に魔素を送ると土の中にいるはずの虫達がいない。

農園の人に果樹園の葉や果実が落ちた時どうしているのか確認すると汚れるからいつも清掃をしていたらしい。


カイト「このままでは木だけではなく地面も死んでしまいます。そしてそれは隣の小麦畑も一緒です。」

農園の人に答えると、真っ青な顔で聞いてきた。

農家「どうしたらいいんですか?」

カイト「とりあえずは近くの森から腐葉土を持ってきて果樹園の下に敷き詰めて下さい。それから果実が実った時に腐っているのは下に落とし、剪定して切り落とした葉っぱはそのままにすれば良いです。するとそれを分解してくれる虫達がこの地面の下で食べてうんちして土に養分を与えてくれます。その養分を樹が吸い上げ花を咲かせるんです。その繰り返しが大切なんです。1年前からという事はその前から実りが悪くなったりしたはずです。どうです?」


農家「確かにだんだん実りが悪くなってました。すごいですね!予言者ですか?」


カイト「違います。予言者とは未来をい…ちがうちがう!それと小麦畑も同じ事が言えますよ!」


農家「確かに小麦も育ちが悪くなってきていてね!」


カイト「小麦ばかりを育てると小麦に必要な養分ばかり吸い取られて土地が痩せてしまうんです。これだけ広いなら3つに分けて、1つは小麦、1つは牧草、1つは家畜を放牧、これを毎年1つずつずらして育てると土地は痩せずに安定して作物を育てられますよ。」


農家「へぇ〜知らなかったなぁ…やってみるよ!ところであんたはなんでそんなに知ってるの?」


カイト「確かになんで知ってるんだろう⁉︎本で読んだからかなぁ⁉︎まぁやってみてよ!それと他の農園やってる人にも教えた方が良いよ。知恵を独占するよりみんなで作物を安定して育てた方が食糧危機にもならないし争いにもならないだろうから」


農家「忠告ありがとうございます。この方法を[カイト式連作]と名付けていいでしょうか?」


カイト「好きにすればいいよ。困ってる人がいたら出来るだけ助けるのは人として当たり前だから」


なんて事を言ってみた。少し恥ずかしかったがとてもいい事をしたって感じだ。


(俺達が生きていくための食べ物はいろいろな役割を持った人や虫達の生物のおかげだな…)


俺は念の為に土魔法と水魔法で大地に養分を与え、草魔法で樹を元気にしてあげた。


宿屋に全員集合し、お互いの話で盛り上がった。お酒も進み夜遅くまで宴会は続いた。

『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。


感想もお待ちしております。


今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!

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