カイト8歳
ある日の夜
天蓋付きのベッドの上で悪夢にうなされたカイトは全身にびっしり汗をかいて起きた。
時間は深夜
カイト「ん…思い出せない…が、嫌な夢だったな…」
コンコン…
「失礼します。カイト様、いかがなされましたか?」
メイドが心配して部屋に入ってきた。
メイドと言ってもメイド服は着ていない。白いシャツと紺色のズボンで髪をまとめ上げた格好だ。
カイト「いや、大丈夫だ。汗をかいた。着替えを頼む。」
「承知しました。お着替えをお持ちします。」
ベッドから起き上がりパジャマと下着を脱ぎ、メイドから着替えをもらった。
(あれはいったい…誰だったのか?)
着替えを済ませベッドに横になる。
☆☆☆☆☆
朝目が覚めると憂鬱な気分で吐き気がする。
これから小学校に行かないといけない。
うちにはお金がない。
キッチンに行っても食料がない。
朝はいつも何も食べずに学校に行く。
家から学校までは歩いて30分
いつもはその途中でいじめっ子軍団に出くわす。
ランドセルを取られ、道路に撒き散らされる為、何も入れていない。それはそれで殴られる。半ズボンを脱がされ側溝に捨てられるのはいつもの事だ。
軍団はいつも楽しそうだ。
ある時、ブチギレで殴りかかった事があるが、当たるわけもなくいつもの5倍ぐらい殴られた。
それからは反抗する事もできず…
通学路にある駄菓子屋で商品を盗むように命令され3回目の時に捕まった。警察署で事情を説明しても嘘つくなと怒られた。
学校では先生にも虐められた。
教室の机の上に花を置かれた事もある。
机を校庭に捨てられた事もある。
1番最悪だったのは机の中に大量のうじ虫を入れられた事だ。
見返してやりたくて勉強を頑張った。
それはそれで、軍団は気に入らないらしく、良い点数をとるとその点数分殴られた。
顔にはいつも痣が残り、親はみっともないと叩かれる。
家にはお金も食料もない。いつもお腹は減っていた。
日々の食事は学校の給食のみ
家には風呂もないからいつもタオルで身体を拭く。
洗濯機もないからいつも手洗いだ。
誰とも会話する事もなく、どこに行っても殴られる。学校の女子は殴る事はないが言葉で殴ってくる。死ねとか消えろというのは聞き飽きた。
小学校2年生から中学3年まで虐められた。
なんの希望もなく将来を諦めていた。
中学1年生からはどうやって死ぬのが1番の復讐になるのかばかり考えていた。
高校は遠いところを選んだ。みんなから離れる為に。
高校から違う人生が待っていると思っていた。
高校生の殴る蹴るは大人と変わらない。
廃墟となった工場の天井クレーンに吊るされ、人間サンドバッグはもはや痛みも感じない。裸が恥ずかしいとかそんな事はどうでもいい。
仏教でもキリスト教でもユダヤ教でもヒンズー教でもなんでも神がいるという。
神なんていない。絶対いない。
神話では神に似せて人間が作られたらしい。
こんな人間が似てるという神は何と邪悪なことか?
クレーンに逆さまに吊るされた俺が考えている事は一つだけ
もう…死なせて…くだ…さい…
生きること…に…疲れ…まし… …た。




